7日間ブックカバーチャレンジ 1日でやってみた⑦『ラクうまごはんのコツ』瀬尾幸子
『ラクうまごはんのコツ』瀬尾幸子、新星出版社、2014年
「ブックカバーチャレンジ」というのにカバーはボロボロになったので捨ててしまった。ラスト7冊目はレシピ本である。
『ラクうまごはんのコツ』。掲載されている料理は肉じゃが、ポテトサラダ、ハンバーグにから揚げ、ブリの照り焼きなど、なんの流行りにも関係なく、なんの変哲もないレシピばかりだ。
しかしわたしは(正確には妻が買ってきた本なので、わたしたち家族は)本書を圧倒的に支持したい。どの本よりもこのレシピ本で作った料理が多いからだ。
本書のキモは、まずメインのコピーと、それに続くボディコピーにある。
「ハンバーグはよーくこねて、小さく丸める」に続いて「ハンバーグを失敗しないコツは、小さく作ること(中略)割れる、生焼け、焼き過ぎなどの失敗は、小さく丸めることでぜーんぶ解決」。
この連なるコピーが、失敗の恐れを打ち消してくれる。こんな俺でも作れるぞ!とやる気を引き出してくれるのだ。
「ほんとに旨い。ぜったい失敗しない」が本書のサブタイトルだが、偽りない。自分だったら「ほんとに旨い、と思う。ぜったい失敗しない、多分」とかつけてしまいそうだが、潔い。それだけ内容に自信があるのだろう。レシピ本なんてものはテーブルに開いて使ってなんぼ。いまどきのレシピ本は体裁を気にし過ぎて文字が小さすぎるのが多い(おっさんには読めねえんだよ涙!)。本書のレシピ部分の開きもよくないといかんが、気前良く開きもぱっくりと十二分だ。編集者にも拍手である。
それぞれのレシピ本で目指すところは違って当然だ。しかし、わたしたちは共に走ってくれて、温かい声をかけ続けてくれる優秀な伴走者のような本書を信頼する。
作ろうと思えないと意味がない。作れないと意味がない。だって、実用書だもん。
本書のように、生活に根ざし日々の暮らしに寄り添う本をつくりたいと、いままさに編集をがんばっているところだ。
どうぞこれからも燦燦舎にご期待ください。
ブックカバーチャレンジ7デイズを1日でやってみた。これにて終了。
おうちで本を、読みましょう。
(燦燦舎 代表 鮫島亮二)
燦燦舎は鹿児島の小さな出版社です。