燦燦舎のブログ

燦燦舎(さんさんしゃ)は鹿児島のあたらしい出版社です。

せっぺとべ

5日の日曜日、日置市日吉町に伝わる伝統行事「せっぺとべ」をひとりで見に行きました(息子を誘ったが断られた)。

 せっぺとべはいわゆるお田植え祭り。豊作を祈り若者が田んぼで泥だらけになって跳ね回る姿が有名です。400年以上前から伝わっています。

鹿児島市から車を走らせ伊集院へ、伊集院から日吉へ。会場の八幡神社近くになると「せっぺとべイベント会場」なる看板を発見しました。会場ステージでは、なぜか演歌歌手が歌って出店などが出てる。

ここではさすがに跳ね回らんやろな、としばし会場をうろうろして神社へ辿り着くと、何やら男どもの声が。

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おお。早くも跳ね回ってる! 焼酎くさい!

 これがせっぺとべなのか? と思っていたらまたまた何やら太鼓の音が、ドン、ドン、と聞こえてくる。はて? と音のする方向へ行くと……

 

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 さ、3メートル級の巨人?

いや、デ、、、大王殿だーーーっっ!!!

(デオドンと読みます)

 

デオドンに会えるなんて思ってもなくて、テンションあがるわたくし。

地元の子どもたちが引っぱるデオドンに導かれるように跡をついていきますと、水の張った田んぼが現れます。これがご神田。

 デオドンがご神田に佇む姿に和やかな気持ちになっておりますと、神社の方から若者たちが8メートルはあるんじゃないかという竹竿を持ってきて、田んぼを渡ります。

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そりゃ倒れるやろ、という長さ

足元が悪いうえに長い竹は風であおられる。よんごひんごになりながら向こう側まで渡ります。もちろん竹を倒す若者もいますが(そりゃそうだ)、竹のてっぺんにつけられている地区の旗や「しべ」と呼ばれる飾りを田んぼにつけるのは御法度なので、まわりの若者が必死に竹をキャッチします。先輩風の兄ちゃんにトラメガで「しっかい運ばんか!」とどやされる若者もあり。

 

だんだんと竹竿の数が増えてくると、いつしか若者たちは肩を組んで、泥だらけになって跳ね回り、歌い始めました。焼酎もしこたま飲んでるので、転倒者続出。これぞ泥酔か。

誰かがワンフレーズ歌うとまた誰かが歌う。

 

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あじさいがきれいでした

 

歌の最後は必ず「オイヤマカチャンゲ、チョシ、チョシ、チョシ、チョシ」をみんなで合唱する。みんなどろどろですが、いい顔をしておりました。俺たちは地元の伝統を引き継いでいる、これからもここを守るのだ、と言っているような。

後で参加してた方に聞いたら歌詞は50番くらいあって、みんなそれぞれ十八番があり、誰かが歌ったら阿吽の呼吸で次の誰かが歌うんだそうです。歌詞を文字にあらわしたものはない、とのことでした。口承とは。尊敬します。

踊りは土をこね、田んぼの害虫を踏む動きをあらわしているそうです。

400年以上引き継がれてきたせっぺとべ。

せっぺとべとは、「精いっぱい飛べ!」の鹿児島弁。

いい祭りでした。

 

市来の七夕踊り、悪石島のボゼ、岩川の弥五郎どん、甑島のトシドン……。

今年は鹿児島全土の祭りをこの目で見にいきたいです。

 

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せっぺとべのあとは、偶然会った友だちと伊集院のカレー屋「LAMA」へ。うまいカレーにドリンク、サラダもついてスープ、ご飯、ナンがおかわり自由。日置市民、幸せすぎだ。ちなみにおかわりする前に腹いっぱいになりました。おそるべし。