燦燦舎は、本屋さん(もしています)
突然ですが、燦燦舎は本屋さんです。
知っちょっが! という声も聞こえてきそうなんですが、ちゃうちゃう。燦燦舎は、本を制作して発行元となって出版し、販売する出版社、
いわゆる「版元」業務と平行して、
本を出版社や著者から仕入れ、道往くお客さんに販売する書店、
つまり「本屋さん」業も行っているのです!!
こちらは我が社の『桜島! まるごと絵本』と『ぐるっと一周! 鹿児島すごろく』。燦燦舎の「出版社」業務のお仕事になります
両者は別のお仕事ではあるのですが、出版社が書店をしたり、書店が出版社をすることは、実はよくあることです。かの有名な岩波書店も東京の神保町で本屋さんを開いています(もともとは古書店から出発した)。地方の本屋さんは、かつては地元の著者の本を出版することも多かったんですね。
燦燦舎を立ち上げるにあたって、「自分で本を作って販売したい」という気持ちとともに、「自分の好きな本を売りたい」という思いがありました。「商い」までせなあかんやろ!と。なぜか関西弁です。だからぼくらは、自社本も、他社の本も、最終的に読者に届けるところまでやります。
街の本屋さんとうちが違うのが、版元との「直取引」だけしていること。
普通の本屋さんは、版元との間に「取次」という問屋さんみたいなものを挟んで仕入れをしています。日販とかトーハンとか。この辺は長くなるんでまたの機会に。
燦燦舎が取り扱っているのは、
東京はミシマ社さん
株式会社ミシマ社 | TOP | 自由が丘の原点回帰の出版社、おもしろ、楽しく!
絵本『はやくはやくっていわないで』『ネコリンピック』(作・益田ミリさん、絵・平澤一平さん)。
ネコリンピック。装丁の金の箔押しが決まってます!
ここ半年の書店・燦燦舎ではネコリンピックが一番人気。一見超ゆるゆるですが、デザインはビシシッッと音が立ちますよ。
笑いのわかる大人に届けたい! 酒場ライターバッキー井上の『人生、行きがかりじょう』。
自らを磯辺の生き物と呼ぶバッキーさん。読めばわかる
文章だけでなんでここまで笑けるんだろうか。バッキーの至言も満載。「全部ゆるして飲もうじゃないか」と言われたら、ゆるして飲むしかないじゃないですか。
同じく東京、ナナロク社さん。ナナロク社
史群アル仙『今日の漫画』。
ナナロク社の装丁、印刷への情熱は凄まじいんです。この本はスリップ(本に挟まれてる小ちゃな紙、ありますよね)までいいの
ツイッターから燃え広がった90年生まれの若き漫画家デビュー作。「昭和の画風を受け継ぐ」と宣言する彼女の漫画は、不条理に見えてとってもセンチメンタルです。
版画家・池田修三さんの『いろどり』。
ポストカードと豆本って、正直真似したいアイディアです!
亡くなってしまった版画家さんですが、秋田では池田さんの版画をプレゼントするのが日常で行われてるんですって。なんて素敵な日常。この本は、絵はがき集なんですが、絵はがきを切り取ると豆本が手元に残るんです。
他にも紹介したい本はどささささっとありますが、また日を改めて。
燦燦舎では他にもいくつかの版元さんの本を扱っています。
東京の老舗・自然食通信社さん。自然食通信
そして忘れちゃいけない、わたくしがかつて在籍しておりました、
ここ鹿児島の雄! 南方新社さん。
(最近webがかっこよくなりやがった!)
どの出版社も、会社の規模こそ小さいかもしれませんが、筋が通った本ばかりです。
駆け出しの版元としては、先人の仕事を見て、自分もいつかは、と背筋を正す次第。
本なんて、仕入れて売っても正直大したもうけにはなりません。よくて3割もらえるくらいで、1万円売っても3000円くらいしか残りません。
本を1万円売るって、まあけっこう大変なんです。イベントで一日お客さんに声をかけ続け、3冊しか売れないときもある。そんなときは泣ける。もう前が見えません。
だけど、なんでこんなことをしてるかというと、気合い入れて本をずらりと並べて、立ち止まってくれた人が、「こんな本があったんですね!」と目を輝かせてくれる。そんな瞬間を何度も経験しているから。
本はwebで買う時代です。ぼくは買いませんが。もしくは画面で読む時代。
だけど、生の本を並べたとき、誇張じゃなくて光るときがあるんです。
まだこの輝きは消すわけにはいかんじゃないですか。
そして、自分で売ってみると、本を売り続けてくれている本屋さんの顔が浮かぶ。本当に本当に頭が下がります。
だんだん夜が更けてきて暑苦しいオヤジみたいになってきたのでそろそろ終結します。明日明後日は天文館・ベルク広場にて「オヤジジャンク市」!!
https://www.facebook.com/events/1383719651948324/
燦燦舎の本だけじゃなくて、いい本をどばばばんと並べます。
うち以外にも古本、活版、写真、雑貨、民藝……。モノにはうるさいが気は優しいオヤジどもが大集合だ!これが商いだっ!つうー日ですんで、どうぞ遊びにおいでください。
いつかは、小さな出版社の素敵な本を集めた、気持ちのいい本屋を開きたいと思っています。それではこれからも、お祭りの広場や街のどこかで本を売ってますんで、お会いいたしましょう。