燦燦舎日乗その1 鬼火焚き
ぼくらが暮らす鹿児島市川上町。
今日は新年の「鬼火焚き」が行われました。
鬼火焚きは年の初めに無病息災を願って行われる鹿児島の伝統行事です。
他の地域では「どんど焼き」とも呼ばれることもあります。
夕方会場に着くと、8mくらいの高さに竹で立てられたやぐらを囲んで、
町内会のみなさんが新年のあいさつなどをしています。
ぜんざいや豚汁、焼酎がふるまわれます。
写真は火がだいぶ落ち着いた頃。芋を焼くとうまそう
3歳の娘に、何度も「鬼を払うんだよ」言っても
「鬼が来る」と思っていて、ずっとだっこです。
娘からだっこをせがまれるのは、うれしいです。重いけど。
燦燦舎の風呂は薪風呂なんで、日々火と接してはいるのですが
(と言いつつ忙しくて焚けない日も多い。すまぬ、妻よ)
でかい火というもんはいいもんです。
上昇気流が起きて空気が渦巻くのを見上げ、火の粉が夜空に舞い、
熱風をじりじりと肌に感じ、竹がポンポン盛大に爆ぜる音を聞くと、
なんだかありがたく、こりゃあ風邪も引かないですな、と思うのです。
ぼくは鹿児島生まれですが、実は鬼火焚きは初めてで、
騎射場という超ダウンタウンに育った、こう見えても街の子なんで、
そんなもん知らなかったんです。
(嗚呼、愛すべき我が街騎射場、でかいマンションばっかり建てないでくれよ!)
12月の20日頃からつい2日くらい前まで、
妻、娘、ぼく、息子と社員全員がインフルエンザ禍に見舞われた
思い出したくても思い出せない悪夢のような年末年始だった燦燦舎も、
鬼火焚きのおかげでようやく新年を迎えられた気がします。
こちらもありがたい川上の恵みの守り神「田の神さあ」とぼくと娘と息子。川上の田の神さあは、寛保元(1740)年につくられました。黎明館にレプリカが展示されているほどの由緒正しきものなのです
こんな地域行事がまだ残っている川上町は、
いまのスピードや効率を追い求めまくる2015年の日本では、とっても貴重です。
水清く、燦燦舎の隣の川上小学校では湧き水も汲める。うまい。
(しかも地域住民が学校に入っても、さすまたで引っ捕らえられない!
ぼくはいつも子どもと校庭で遊んでます。すばらしい!)
有機農業を営む方も多い。
しかも、2日でバス1本とかいう秘境でも全然ないのです。
これを豊かと言わずしてなんと言う。
燦燦舎外観。これを見て、出版社とわかったあなたは相当な燦燦通!
こんな川上町で、ぼくらは本をつくって暮らしています。
今年は燦燦舎日乗と題して、日々の暮らしや雑感も綴っていきます。
どうぞよろしくお願いいたします。
燦燦舎 代表 鮫島亮二
最後に。2015年1月11日付けの南日本新聞です。『ぐるっと一周! 鹿児島すごろく』見事2位にランクイン! ブックスミスミオプシアさん、本当にありがとうございます!