燦燦舎のブログ

燦燦舎(さんさんしゃ)は鹿児島のあたらしい出版社です。 HP→ san-san-sha.com

原口泉『近代日本を拓いた薩摩の二十傑』! イラストはなんと、大寺聡!!! 予約特典、追加あります! 

先日の発表から早くも予約、いただいております!!!

原口泉先生による、

『近代日本を拓いた薩摩の二十傑』!!!

本日、ようやくお知らせできます。

本書のカバーイラストを描いてくださったのは、、、、、、

鹿児島が世界に誇るイラストレーター、大寺聡さんです!!!

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左が大寺聡さん、右が原口泉先生。お二方ともかっこいい!

 

 「鹿児島マラソン」ポスターや数々の雑誌・企業広告など、全国でのお仕事をされている大寺さん。最高峰のイラストレーターです。

原口先生から二十傑の出版依頼をいただき、装丁について、当初はまったく別の案をいただいていました。しかし、原口先生が地方出版から出す、初めての単著に、燦燦舎を選んでいただいた。カバーはその本の、顔です。

「これは、鹿児島県民にとって家宝になる本にしなければならない」と考え、大寺さんにお願いしたいと先生に提案しました。大寺さんのイラストをご覧いただいた原口先生も大いに喜んでくださり、見事に描いていただく運びとなりました。

 

原口泉先生の著作に、大寺聡さんがカバーイラストを描く。いまの鹿児島でこれ以上の布陣は、ちょっとわたしには思いつきません。

満を持してお知らせできます、『近代日本を拓いた薩摩の二十傑』の装丁。

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大寺さんが二十傑の信念、深淵、確信、革新、激情、ときに狂気さえも見える生涯。その凄みを、鋭く力強く美しい筆致で描いてくださいました。

これは編集者の特権ですが、打ち合わせの後に届いた手描きのラフで感動し、一人ひとりのイラストが描かれていく過程でまた感動。二十傑が揃い、表紙の表と裏でひとつの絵になったとき、これまでにない歴史本のカバーができた、思えたのです。

原口先生が書き、大寺聡さんが描いた『近代日本を拓いた薩摩の二十傑』。

家宝にしてください。

11月10日頃の刊行に先立ち!

ただいま開催中の大予約キャンペーンに、予約特典を追加します!!!

前回お伝えしました「予約限定特典! 原口先生が、あなたのためにサインします!」キャンペーンに加えて、

本書『近代日本を拓いた薩摩の二十傑』を2冊以上予約してくださった方に限り!

大寺聡さんがイラストを描いた特製B2ポスター(タテ51センチ、ヨコ72センチ、でかい!)をプレゼントします!!!

 

どどどどんっ! ポスターです!!!

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この二十傑の名前の並びが最の高っ! もはや映画か! それにしても玉利喜造の顔がすげえ。

 

玄関に飾って二十傑に一礼して出社するもよし、天井に貼って二十傑の夢を見るもよし。みなさまどうぞ、ご予約いただき特製ポスターをゲットしてください!!!

 

以下、予約特典をまとめます!!!

① 【1冊】原口先生のサイン本コース!

『近代日本を拓いた薩摩の二十傑』1冊ご予約の場合、

原口先生が、あなたの宛名を入れてサインを書いてくださいます!!!

 

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名前だけじゃなく、写真のように「燦燦舎 鮫島亮二さま」とか、「なんとか保育園◯◯さま」とか「◯◯の会□□さま」「さんさん子ちゃん」「燦燦太郎くん」などなどと、屋号やグループ名、社名、肩書き、子どもさんやお孫さんのお名前もなども書いてくださいます! 原口先生、本当にありがとうございます!(大変なことをさせてすいません!) プレゼントにもイイネ!!!

② 【2冊以上】サイン本&大寺聡イラスト特製二十傑ポスターコース!

原口先生のサイン本を1冊と、サインなしの本を1冊以上。

さらに特製ポスターをプレゼント!

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 サイン本は神棚に供え、もう1冊にアンダーラインを引きまくるもよし(試験に出るぞー)。サイン本は自分用に、もう1冊はプレゼントでもいいね!

そして朝な夕なに二十傑のポスターを拝む。そんな生活はいかがでしょうか。

 

予約の受付は11月8日金曜日までご予約はこちらのフォームからどうぞ!(既にご予約いただいた方で、ポスターが欲しいので2冊にします!という方も以下からどうぞご連絡ください!

san-san-sha.com


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予約フォーム以外でも、

燦燦舎(さんさんしゃ)

電話099-248-7496

FAX 099-248-7596

メール info@san-san-sha.com

 まで、以下を記入の上ご連絡ください。

近代日本を拓いた薩摩の二十傑』(税込定価1,650円)

(   )冊予約 

 お名前(フリガナ)

 ご住所 〒 

 お電話番号 

 サインの宛名

 

発送はメール便にて、日本全国送料無料です!

到着後に郵便振替か、銀行振込にてお支払いください。

 

【こちら、必ずお読みください】

※発送はメール便にてポスト投函です。到着日の指定はできません。

※お支払いは到着後に郵便振替か、銀行振込にてお願いいたします。

※2冊以上ご予約の方も、1冊のみサイン入りとなります。複数冊にサインご希望の方はその旨ご記入ください。

※サイン不要の方はその旨ご記入ください

※2冊以上の特典のポスターは、発送の際に折り目がつきます。ご了承ください。

※ご不明な点、お問い合わせは上記燦燦舎までお気軽に! 

 

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こちらチーム二十傑。右の原口先生助手・下豊留佳奈さんのサインが欲しい!という方も多数いらっしゃいます!

 

本ブログからご予約いただきました1冊につき100円を先日の台風19号の被災者のみなさまに寄付します。

ご予約、お待ちしております!

 

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この巻頭カラーの口絵も見所です! それにしても玉利喜造、かっこよすぎる。

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『近代日本を拓いた薩摩の二十傑』(税込定価1,650円)

著者 原口泉

イラスト 大寺聡

発行 燦燦舎

仕様 四六判・並製・カラー口絵8頁・本文224頁

【目次】

1 島津斉彬 来るべき開国に備えて集成館事業を推進

2 西郷隆盛 革命家が拓く、松ヶ岡開墾場と吉野開墾社

3 大久保利通 海運業や駒場農学校、安積疎水で殖産興業

4 桂久武 西郷に先駆けて薩摩を開拓したラストサムライ

5 桐野利秋 宝塚『桜華に舞え』に取り上げられた宇都谷の農人

6 黒田清隆 北海道開拓に生きた第二代内閣総理大臣 

7 永山武四郎 屯田兵の父、「我が躰は北海道に埋めよ」

8 三島通庸 豪腕の土木県令、肇耕社で那須を開墾

9 五代友厚 大阪再生の恩人、商法会議所初代会頭

10 村橋久成 国産ビール生産の草分け、その数奇な人生

11 長沢鼎 カリフォルニアに渡った「ワイン王」

12 前田正名 『興業意見』を著した「布衣の農相」

13 知識兼雄 農地の少ない国での牧畜の可能性を示す

14 加納久宜 他県出身の鹿児島県知事、「県政の神」

15 湯地定基 二度のアメリカ留学で根室県令、「芋判官」

16 西郷菊次郎 西郷堤防と琵琶湖疎水、「南洲翁の遺志を継ぐ者」

17 玉利喜造農本主義」を継承した農学のパイオニア

18 丹下梅子 失明を乗り越え女性初の帝大生、農学博士に

19 名越左源太 『南島雑話』で奄美大島の文化を伝える

20 田代安定 南西諸島植物学研究の第一人者、「忘れられた日本人」

二十傑年表

原口泉『近代日本を拓いた薩摩の二十傑』刊行! 予約特典!原口泉先生が、あなたのためにサインします!

燦燦舎の新刊、、、ようやく、ようやくお知らせできます!

著者はなんと! 鹿児島県立図書館長、志学館大学教授、そして「西郷どん」「篤姫」と数々の大河ドラマ時代考証をなした、

あの!原口 泉先生による、

『近代日本を拓いた薩摩の二十傑』!!!

11月10日頃に刊行です!!! ただいまご予約受付中!!!

 

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真ん中がご存知!原口泉先生、右は助手の下豊留佳奈さん、左は燦燦舎代表の鮫島亮二です。先生がかっこよくて、えらい接近している鮫島。

 

原口泉先生ですが、これまで大手出版社からの著作がほとんど。鹿児島の出版社では監修や共著などはありましたが、単著は燦燦舎が初めての出版になります! 

どんな本を出されてきたかと言いますと、、、

 

西郷どんとよばれた男』NHK出版

『西郷家の人びと』KADOKAWA

『日本に今一番必要な男』幻冬舎 他無数。

 

、、、、、、、って、大手ばっかりじゃねえか!!!

自分で言うのもなんですが、地方弱小出版社の燦燦舎。原口先生から出版の依頼をいただいたときは「え?…………うちで、いいんですか???」と、うれしさよりも不安が勝っていたのが正直なところです。 

どきどきを隠すこともできず、県図書館長室に行き、お話をうかがいました。

「これはいま、鹿児島の人に読んでもらわないといけない本だ」と確信し、微力でも全力を尽くして受けるしかない、と決意しました。

 

『近代日本を拓いた薩摩の二十傑』

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カバーイラストはなんと鹿児島が誇るイラストレーター大寺聡さん! 豪華共演となりました!

 

 

本書で光を当てるのは、これまで鹿児島の歴史ではほとんど注目されて来なかった人物。

『興業意見』を著し、松方正義と対立し政府を下野。全国を講演行脚し「布衣(ほい)の農相」とうたわれた前田正名。昨年迫田孝也さん主演でKTSドラマになりました。

北海道でジャガイモ普及。芋判官(ほうがん)・湯地定基屯田兵の父でありジャガイモ長官!永山武四郎も掲載)。

放浪の末に変死、という数奇な運命に翻弄された国産ビールの草分け。今日もビールが飲めるのは、村橋さまのおかげです。北のビール侍・村橋久成

失明を乗り越えて女性初の帝大生に。農学博士・丹下梅子

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現在東京のシナノ書籍印刷で印刷中のゲラです! 西郷どんを継ぐ者・西郷菊次郎

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早くカバーを見せたい!のですが、まだ秘密です。オビを先にどうぞ!「西郷どんだけじゃなかった」。どっかで聞いたようなのは、気のせいです。

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鹿児島大学農学部の前身・鹿児島高等農林学校校長、玉利喜造。この方のエピソードがすばらしい。

 

西郷大久保桐野などのおなじみの面々も掲載されてはいますが、維新の傑物の彼らについても、「西郷は何を思い、吉野開墾社を設立したのか?」「大久保が夢を懸けて開通した福島の安積疎水とは」「人斬り桐野は、鹿児島市吉田の宇都谷(うとんだん)の開墾に励む一面もあった」などと、これまでの倒幕・維新を中心とした薩摩の歴史観とは離れた視点からの執筆となっています。

それが新しい。

西郷どんフィーバーが去り、「で、鹿児島の歴史って、結局維新で終わったのけ?」と寂しさを胸にされるかたもいらっしゃるんではないでしょうか。実はわたしもそうでした。

本書を読めば、鹿児島から日本を、世界を拓いていった人物がこれだけいることがわかります。そして彼らの人生が、目に見えるかたちでいまのわたしたちの社会に直結している。

前田正名の影響を受けた波多野鶴吉が起こした会社がグンゼ

村橋久成がつくったビール工場がサッポロビールのはじまり。

加納久宜が起こした信用組合が、いまの城南信用金庫

原口泉先生が語る、「維新、その先」の鹿児島人の足跡から、地方がいかにして新しい時代を興していくべきかを導く二十傑。まさに地方創生。

これは出すべきです。読んでもらうべきです。

 

ということで!11月10日頃の刊行に先立ち!

大予約キャンペーンを敢行します!

「予約した方だけの特典! 原口泉先生が、あなたのためにサインします!」キャンペーン!!!!!

 

内容は極めてシンプル!

このブログから『近代日本を拓いた薩摩の二十傑』をご予約いただいた方だけに、

原口先生が、あなたの宛名を入れてサインを書いてくださいます!!!

 

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こんな感じです。原口先生がサインを書き書き……

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できたっ! 笑顔が素敵! 燦燦舎なんて非常にめんどい字まで書いていただき、大感謝!

 

そうなのです。ただのサイン本じゃないのです。

例えば上記のように「燦燦舎 鮫島亮二さま」とか、「なんとか保育園◯◯さま」とか「◯◯の会□□さま」「どこかの市長 某さま」などなどと、ご希望であれば屋号やグループ名、社名、肩書きなども書いてくださいます。これははっきり言って、

家宝・社宝・会宝・市町村宝!!!

 

もちろんプレゼントにも、

最の高っ!!!「さんさん子ちゃん」「燦燦太郎くん」などと子どもさんやお孫さんのお名前も書いてくださいます。出産祝い、誕生日プレゼント、結婚祝いなどにも!

 

※10月25日補記 2冊以上のご予約で特製ポスターもプレゼントです!

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ご予約の受付は11月8日金曜日まで!

ご予約はこちらのフォームからどうぞ!

 日本全国送料無料

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または

 

燦燦舎(さんさんしゃ)

電話099-248-7496

FAX 099-248-7596

メール info@san-san-sha.com

まで、

『近代日本を拓いた薩摩の二十傑』(税込定価1,650円)

(   )冊予約 

 お名前(フリガナ)

 ご住所 〒 

 お電話番号 

 サインの宛名

 

 

以上をご連絡ください。

【こちら、必ずお読みください】

※発送はメール便にてポスト投函です。到着日の指定はできません。

※お支払いは到着後に郵便振替か、銀行振込にてお願いいたします。

※2冊以上ご予約の方も、1冊のみサイン入りとなります。複数冊にサインご希望の方はその旨ご記入ください。

※2冊以上ご予約の方へのプレゼントのポスターは、発送の際にどうしても折り目がついてしまいます。ご了承ください。

※サイン不要の方はその旨ご記入ください

※ご不明な点、お問い合わせは上記燦燦舎までお気軽に!

 

 本ブログからご予約いただきました1冊につき100円を、先日の台風19号の被災者のみなさまに寄付いたします。

原口泉先生がサインを書いてくださる『近代日本を拓いた薩摩の二十傑』!

ご予約、お待ちしております!

 二十傑情報、今後も続々更新します。お楽しみにっ!

(早くカバーのことをお知らせしたいっ!)

 

 ーーーーー

近代日本を拓いた薩摩の二十傑』(税込定価1,650円)

著者 原口泉

発行 燦燦舎

仕様 四六判・並製・カラー口絵8頁・本文224頁

目次

1 島津斉彬 来るべき開国に備えて集成館事業を推進

2 西郷隆盛 革命家が拓く、松ヶ岡開墾場と吉野開墾社

3 大久保利通 海運業や駒場農学校、安積疎水で殖産興業

4 桂久武 西郷に先駆けて薩摩を開拓したラストサムライ

5 桐野利秋 宝塚『桜華に舞え』に取り上げられた宇都谷の農人

6 黒田清隆 北海道開拓に生きた第二代内閣総理大臣 

7 永山武四郎 屯田兵の父、「我が躰は北海道に埋めよ」

8 三島通庸 豪腕の土木県令、肇耕社で那須を開墾

9 五代友厚 大阪再生の恩人、商法会議所初代会頭

10 村橋久成 国産ビール生産の草分け、その数奇な人生

11 長沢鼎 カリフォルニアに渡った「ワイン王」

12 前田正名 『興業意見』を著した「布衣の農相」

13 知識兼雄 農地の少ない国での牧畜の可能性を示す

14 加納久宜 他県出身の鹿児島県知事、「県政の神」

15 湯地定基 二度のアメリカ留学で根室県令、「芋判官」

16 西郷菊次郎 西郷堤防と琵琶湖疎水、「南洲翁の遺志を継ぐ者」

17 玉利喜造 農本主義」を継承した農学のパイオニア

18 丹下梅子 失明を乗り越え女性初の帝大生、農学博士に

19 名越左源太 『南島雑話』で奄美大島の文化を伝える

20 田代安定 南西諸島植物学研究の第一人者、「忘れられた日本人」

二十傑年表

祝☆5刷り一万部突破!「桜島! まるごと絵本」 プレゼントキャンペーン

 


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いつも燦燦舎を応援いただき、本当にありがとうございます。

燦燦舎のさめしまことえです。

 

突然ですがこのたび燦燦舎の「桜島! まるごと絵本」が、ついに

堂々の5刷り!!

発行部数一万部突破!!!となりました!!!

おーーー!!! パチパチパチ☆☆

著者の福島大輔さんと一緒に、鹿児島の某大学構内で記念撮影です。

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この「桜島! まるごと絵本」を作ったのは5年前。これから燦燦舎を立ち上げるという時、まさに命運をかけて作ったのがこの絵本なのです。

 

私が桜島に住んでいる時、観光客からたびたび言われたことがあります。

桜島って、人が住んでるんですね」

桜島は、噴火する度に全国ニュースで取り上げられるのですが、人が住んでいることを知っている県外の人は実はあんまりいません。

桜島にも幼稚園や小学校、スーパーマーケットがあって、ごくごく普通に人が住んで、毎日の暮らしがあるのです。人が火山と共に生きてきた長い歴史があるのです。そのことを伝えたい、と思いました。

 

また、絵本の構想を練りはじめたのは、東日本大震災のショックがまだ日本中を包み込んでいる時期でもありました。鹿児島の友人たちと一緒に関東から避難してきた母子の受け入れをしたり、デモやイベントを主催したりしていたこの頃。

「過去の災害について学べる」「自分たちの住む土地の成り立ちを知れる」「子どもと親が一緒に読める」そんな本を作らなければいけない、との思いも強くありました。

 

そして、かねてからお世話になっていたNPO桜島ミュージアムの皆さんと、その理事長福島大輔さんの協力のもと、制作することになったのです。

NPO法人桜島ミュージアムは、桜島全体を「まるごと博物館」と捕らえ、現地で本物を見て、体験する活動を行うNPOで、様々な体験ツアーや修学旅行生の受け入れ、博物館の運営などを行っています。また、私が10年以上前に、東京から移住してきた際の受け入れ先でもありました。

 

当初は、ものがたり絵本 + 解説数ページの予定でしたが、あれもこれも・・と詰め込み、絵本にしては大・大・大ボリュームの56ページ。

なんと前半と後半の2部構成になっております。

前半のものがたり絵本は「じいちゃん、もう灰はいやだ。僕たちはどうしてこんなところに住んでるのけ?」という少年の問いに、じいちゃんが大正噴火の話をする、というものです。

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鹿児島弁で読み聞かせができます。 

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大正噴火の予兆と大噴火のシーンです。

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桜島の島民には馴染みのある温泉の風景も出てきます。

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「この絵本だけは、鹿児島弁が上手なパパが読んでくれる」(パパが鹿児島出身の方)

桜島のふつうの暮らしを伝えるのに、これがいちばんなんですよ」桜島在住の方)

そんな嬉しい言葉をたくさんいただきました。

 

後半は、「火山博士が教える! まるわかり! 桜島」と題して、火山博士の福島大輔さんが、子どもたちに会話形式で、火山の成り立ちや暮らしについて解説する、という内容となっております。

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 桜島ってどんな火山?

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桜島には恵みがいっぱい!

 

「小学校のしらべ学習にぴったり!こんな本を待っていた!」

学校図書館司書さんから大絶讃をいただきました。今まさに、夏休みの自由研究に、この本を使っている、という小学生もいるのではないでしょうか。

すべてにルビがふってあるので、低学年でも読めます。

 

こちらが後半の目次です。

桜島ってどんな火山?

・大正噴火ってどんな噴火?

桜島は天然の博物館

錦江湾と火山のつながり

桜島は恵みがいっぱい!

桜島の人びとの長い歴史

・火山とともに生きるために

・コラム 桜島・錦江湾ジオパークって何だろう?

・おまけ 桜島わくわくイラストマップ

 

このように、大人でも読める大充実の内容なのです!

 

最後になりましたが、ここで皆さんに感謝の気持ちを込めて、

プレゼントキャンペーンのご案内です!

 

この記事をシェア or リツイート もしくは インスタで「#桜島まるごと絵本」と入れて桜島まるごと絵本にまつわる画像を投稿)してくれた方先着100名様に、燦燦舎から感謝のポストカードを。

そしてさらに! 抽選で著者二人の

サイン入り絵本を5名様にプレゼント!!! 

期間は2019年8月20日〜8月31日までです。

すでにお持ちの方も、これから買おうと思ってたあなたも、燦燦舎を応援してくれる皆様も! 是非キャンペーンにご参加くださいませ!!

応募方法は最後のほうに記載してますので読んでくださいね。

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イラスト& サイン本を5名様に!!

 

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先着100名様にポストカード! この中のどれか一枚が届きます。

 

応募方法は簡単! アナログ!!

 

・この記事をフェイスブックでシェア

もしくは

・この記事をツイッターリツイート

もしくは

・インスタグラムで、#桜島まるごと絵本 と入れて「桜島まるごと絵本」にまつわる画像を投稿

 

をした後、以下の情報を入力し、燦燦舎にメールをください。

 

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タイトル:5刷り一万部突破キャンペーン

お名前:

ご住所:

郵便番号:

電話番号:

 宛先:info@san-san-sha.com

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 締め切りは2019年8月31日です。

当選者の発表は商品の発送をもって代えさせていただきます。

お届けは9月頃を予定しております。

どうぞよろしくお願いいたします!!

 

追伸

プレゼントいらない、ふつーに買うよ!って方、ありがとうございます!

ご注文はこちら燦燦舎のフォームよりお願いします。↓↓↓↓↓↓

san-san-sha.com

ブックスミスミオプシアで「南九州出版フェア」開催中! 8月17日はスペシャルイベント!

ただいまブックスミスミで開催中の「南九州出版フェア」!
南方新社、月の舟書房、南日本新聞開発センター、ラグーナ出版、高城書房、鹿児島書籍、そして燦燦舎の本が大集合しておりもす。

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目印はこちら! 大迫力の西郷どんオブジェ。さめしまことえ作!

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実はたくさんある鹿児島の本。鹿児島の出版社がきばってつくっています。

 

ほいでほいで、

明日の8月17日土曜日!は

オプシア中央イベント広場で

スペシャルイベント

「チェストいけ!鹿児島本」が開催です!!!

NPO法人のこしていきたいかごっま弁協会による「劇団かごっま弁」寸劇!
13時〜13時20分、15時〜15時20分の2回

しかしこの動画すごいですね。
劇団かごっま弁「でこん太郎」
「大根(でこん)な出っこ〜ん!」
わっぜか鹿児島弁ワールド。楽しみです。

www.youtube.com

 

さらに文学サロン「月の舟」の三嶽豊さん、みたけきみこさんのお二人をお迎えして、新元号「令和」を出典の万葉集からわかりやすく解説する
講演「令和ものがたり」。

13時30分~14時、15時30分~16時の2回開催です。

鹿児島本の展示販売もあり、
燦燦舎のさめしまことえさんによる工作体験あり、

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かわいいキーホルダーづくりと、西郷さんのかぶりものづくり!


他には製本ワークショップも開催。
涼しいオプシアにどうぞおいでませ!!!

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オブジェを運ぶのにわっぜえか苦労しました。まずわたしのロープのしばり方が甘い、そして途中で雨が降ってくる!という。これだけでも見にきてくださ〜い。下は今回のイベントのチラシです。鹿児島本は元気です!

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川上ちびっこクイズ王決定戦! 開催しました!

長い梅雨が明けたらいきなりクソ暑くなりましたここ鹿児島です。

燦燦舎代表のわたくし鮫島亮二ですが、実はもうひとつの顔を持っております。

その名も川上町内会文化部長!!!

文化部長の担当する最大の行事は夏祭り。その準備は正直仕事に支障が出るレベルなんですが、地域の子どもたちの思い出になればよか!となんとかかんとかやっております。ようやく今年で任期満了、お役御免。

チラシはこげな感じ! どどん!

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生ビールにカルスコのドイツソーセージ、チチビスコの本格ネパールチキンカレー、ベーカリー楓の唐揚げやホットドッグなど、出店はそんじょそこらの祭りよりもはるかに高レベル! イラストはさめしまことえさん!

 

ステージは地域の保育園、幼稚園の子どもたちや町内会の各班がそれぞれ出し物をするんですが、今年はわたくしの文化部長人生の集大成として、やってみました!

川上ちびっ子クイズ王決定戦!!!

知力、体力、時の運、そしてあなたの川上愛が試されるクイズ大会。もちろん豪華景品もありでごわす。

参加賞は吉野の自然食品店やさい村の体にやさしいお菓子!

上位7人の川上セブン(かわかみせぶん)にはやさい村のお菓子セットさらにたっぷりと、燦燦舎の『西郷どん!まるごと絵本』(しかも東川隆太郎さんとさめしまことえのサイン入り!)

優勝者にはなんと、、、、、、クオカード、、、、3,000円分じゃい!

(しょぼ!と思った方は小学生の自分が3,000円を手にしたときの気持ちを思い出してください。ちなみに優勝者には現金3,000円にしようと思いましたが、いろんな方から止められました。だめなのけ)

さあさあ、ルールは単純。小学生がステージ前に集まります。2択でAかBを選び、正解者は残り、間違ったらミサイルで爆破されるというお笑いウルトラクイズ方式です。

それではレポート始めます、川上ちびっ子クイズ王決定戦!!!(ここで音響の方が「世界ふしぎ発見のテーマ」を流してくださいました。ありがたや)

 

第1問 田の神さあクイズ〜!

鹿児島と宮崎の一部で伝えられる民間信仰、田の神さあ(たのかんさあ)。

五穀豊穣を願い田んぼの畦などに建てられてきました。

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この川上の田の神さあは1741年につくられたもの。黎明館にレプリカも展示される由緒ただしいものなのです。ここで問題。

川上の田の神さあが右手に持つのは飯杓(メシゲ)。では左手に持ってるものは?

 

A、バット!(バッター、田の神さあ。江戸時代に野球って伝えられたって民明書房館の本で読まなかった?)

B、いやいやバットのわけないでしょ。スリコギ!

さあ、みんなで考えよう!

 

 

はい、全員正解でした。正解はBのスリコギ! バットのわけねえじゃんね。これは練習問題です。次の問題!

 

第2問 川上小クイズ〜!

上小のシンボルと言えばこちら!

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センダンの木! 鹿児島市の保存樹に指定されていて樹齢約130年です。こんな木の下にいるとなぜだか安心できる。川上小の子たちはとってもいい環境で学んでいるんです。

ここで問題。

このセンダンの木の、幹周りは何メートル?

A、約3メートル!

B、約4メートル!

これは分かれました。正解は、、、、、、、、

 

 

 

 

B、約4メートルなんですね。

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こちらの学校の表示には3.3メートルと書かれているんですが、わたしは実際に測ってみました(ヒマではありません)。すると、なんと410センチあったんですね。心配になって2回も測りに行ってしまいました(ヒマではありません)。恐らく保存樹に指定されたのが1974年なので、この間で1メートル近く太くなったんでしょう(市の表示板は平成14年とありますので、平成14年当時で3.3メートルだった可能性もありますが)。

小学生に「ずるい!」と言われましたが、いやいや、測ってみないのが悪いわけです。

 

それにしても2問目で早くも8割が失格になってしまう事態! これはまずいと急遽敗者復活戦です。

 

敗者復活クイズ ニシムタクイズ〜!

みんな大好きニシムタ吉野店。24時間営業で食品から工具文具も揃います。燦燦舎も夜中にコピー用紙がなくなって買いに行くとかもしばしば。大変お世話になっている地域密着スーパーですが、ここで問題。

ニシムタ吉野店2019年6月のお菓子部門、売上1位のお菓子はなんでしょう?

A、塩せん(大宮製菓)

B、ポテトチップスうすしおカルビー

 クイズ大会のときは現物を持ってたんですが、写真を撮ろうと思っていま家を探したところ既に家族に食われていました。

さあどっち?

 

正解は、なんとAの塩せん(大宮製菓)だったんですね!

業界最大手のカルビーポテトチップスを鹿児島市加治屋町の大宮製菓が破る快挙。ちなみに3位はじゃがりこサラダ、4位はかっぱえびせんだったということ。大宮製菓、すごい! 販売個数もびっくりでした。ここでは秘密ですが。うちも本よりも食品作りてー。

 

第3問 ドラゴンボールクイズ!

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いま話題の吉本興業BANBANBAN!!!の向かって左は鮫島ひろみ(わたしの弟です)、右はフリーザ山本さん(フリーザ山本、意外と知ってる子が多くてびっくり! 弟は、誰も知りませんでした)。

フリーザの決め台詞と言えばもちろん

「わたしの戦闘力は53万ですよ!」ですが、鹿児島市の人口は53万よりも多いか少ないか!??

A、多い!

B、少ない!

 正解は、、、、、

 

 

 

A、多い!ですね。2019年7月で59万5千人。ちなみに鹿児島県は6月で160万4千人でした! 減ってます。ストップ少子高齢化

 

引き続き

第4問 世界遺産クイズ!

川上の隣の関吉の疎水。2015年に「明治日本の産業革命遺産」の構成資産ということでで世界文化遺産下田から磯の仙巌園に水を引いて水車をまわしましたが、なんのため?

A、そばの粉を挽く

B、大砲の弾に穴を開ける

 正解は、、、、、B! 島津斉彬の集成館事業の一環ですね。ちなみにドリルを固定して弾を回して穴を開けていたそうです。なんでやろ。

 

第5問 ドラえもんクイズ!

ドラえもんのヒロイン、みんなの憧れといえばそう、のび太のママ・野比玉子ですが、何歳?

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A、38歳

B、31歳

 正解は、、、、、A! 妥当な感じがします。ちなみに時々とか36歳37歳になるときもあるそうです。サザエさんは24歳ですね。

 

 

などなど、ためになるものからならないものまでクイズを繰り出し、いよいよ最終問題!

 

第6問 西郷どんクイズ!

1877年の西南戦争で、宮崎から敗走してきた西郷隆盛率いる西郷軍は、ここ川上を

A、通った!

B、通っていない!

 

ここでこれまで数々の難問奇問に正解してきた幼き猛者どもが、1人対5人に分かれました。果たしてクイズ大会は続行か、それとも優勝者が決まるのか、、、、、

 

 

 

 

 

 正解は、、、、、、、、、、、、、、Aの通った! 

でした〜。1877年の9月1日にここ川上の小立山(こたっちゃま・写真)で西郷軍と政府軍との戦闘があったという記録があります。

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参考文献はこちら! 南方新社の『薩軍城山帰還路調査』。

ただし、西郷自身が川上を通ったかどうかは記録がないそうです。総大将ですから、どこを通るかはトップシークレットだったんですね!

 

と、こんな感じでクイズ大会は盛況のなか終了!

子どもたちも楽しんでくれたようで何より、でしたが、、、、、

気になる優勝者は、なんとわたしの息子(小3)で、大変気まずい思いをしました。

神に誓って言いますが、問題の漏洩・やらせなど、一切ございません!

息子はクオカードをもらってほくほくしておりました。ま、夏の思い出になってくれたみたいだからええか。

 

川上町内会夏祭り、ラストは花火も上がって無事に終了いたしました。

クイズの制作にあたっては東川隆太郎さんと川上小学校に大変お世話になりました。

ありがとうございました!

 

クイズ本、作りたくなってきたーーーーー!

それではみなさん、夏はやっぱり鹿児島本。今年の夏も燦燦舎をどうぞよろしくお願いいたします! こちらから全国送料無料で購入いただけます!

 

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九産大美術館「美の鼓動・クリエイターアーカイブ展」クロージングパーティーで「先生」と呼ばれてきました

いやー、人生初でした。

先日から本ブログでお知らせしています「美の鼓動・クリエイターアーカイブ展」のクロージング パーティーに出席して、鮫島先生と呼ばれてきました。

「先生」と呼んでくる学芸員の方は明らかに笑いをこらえてましたが。

 

3月末の設営から約ひと月半の展示期間でした。「自分の展示とか見るひといるのかな?」と不安でしたが、ありがたいことにいろいろと感想をいただきました。なんと「以前からブログを読んでいて、注目していました」とおっしゃってくださる方もいまして。鹿児島の小さな出版社ですから、まさかそげなことがあるとは思ってもおらず。励みになりました。

やってみて、「展示」は自分の本分・本業では決してない。本をつくって、本を売ることにますます力を入れよう。と改めて思えました。別に展示とかは適当にすればええわ、というわけじゃないですよ。

出版社として力を入れるべきところに力を入れていたら、今回のような仕事もいただけるわけです。そのへんを勘違いしたらあかんな、ちゅうことです。本をつくる、本を売ること。それがわたしのいちばんの仕事です。

あとは展示のためにまとまった原稿を書いたことで、「書く」ことに取り組みたくなりました。まだまだ書けるようになるためにもっと読んで、もっと動きたいです。

 

妻のさめしまことえが芸術家にもかかわらず、実はこれまであまりアートに触れていなかったわたし。理解できないもの、言語化できないものを避けていたんでしょう。ですが、今回他の作家さんの生の作品に囲まれることで「わけわからないもの、得体のしれないもの、理解を超えるもの」に出会ってこそ湧いてくるものが、生きていくなかで必要なのではないか、と思えました。

もうわたしも41歳でして、「ようやくそう思えるんかい!」と自分にあきれますが、だいたいが成長が人一倍遅いんで仕方ないとあきらめます。

世の中にはもっと美しいもの、謎なもの、変なもん、おかしなもん、が蔓延伝染したほうがいいですね。美術館とかを飛び出して、もっと街で出会えたらいい。

そんなふうに世界をきっとよくするであろう作家さんたちが集った稀な一日の様子を、以下にさっくりとご紹介します。

 

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レインボー岡山さん 作品も本人もかっこいいです。アーティストだなあ、と。着用しているレインボースーツは現在世の中に5着あるらしいです。7着目が作られたときには神龍が現れます。

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ちらしです

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尾形満歳さん 3人になっていました。これでマラソンを走るというとんでもない方です。

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鹿児島では知らない者がいない「薩摩剣士隼人」の外山雄大監督と巨大着ぐるみサツマジン。監督は鹿児島が誇る宴会大魔王でもあります。

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こちらも鹿児島。画家の木浦奈津子さん。鹿児島が誇る才能だと思いました。

 

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冨永ボンドさん。独自の技法であるボンドアートは商標登録をとっているそうです。

 

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藤瀬大喜さん 造形作家ですが、未来の相撲を描く小説『建御雷神』を執筆。思わず買いました。

 

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こちらは今回の展覧会の功労者、九州産業大学美術館学芸員の三戸さん。連日深夜までの作業、本当におつかれさまでした! 

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www.tnc.co.jp

テレビ西日本「美の鼓動・九州」ディレクターの深川さん。今回の作家さんは全員この番組に出演しています。これまで200回以上九州のクリエイターを紹介している番組。動画を見ると実に様々な作り手が出ています。それを毎週編集して放送している、貴重な記録です。実はこの方がいちばんすごいんじゃないかと思ってしまう仕事ぶりです。本になったらいいですね!

 

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わたくし燦燦舎代表の鮫島亮二と、福岡の反原発友人(なんだそれ!)のおふたり。わざわざ来てくれてうれしかったです。右のいのうえしんぢさんはイラストレーター・デザイナー・活動家と様々な才能の持ち主。俺より作家らしく見える!!!

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開運すごろく部屋で大学生も遊んでくれたみたいです。めでてえめでてえ。

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san-san-sha.hatenablog.jp

今回の作品「田舎で出版社、はじめました!」は上記のwebで全文公開してます。

 

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「虹の上を散歩する。」

すてきな空間でした。レインボーさんが走ると頭の風車も回転します。

これにて九州産業大学の展示も無事に終了。たった1泊しか福岡にいなかったのに、帰ったらアミュの地下で吹上庵のそばを食って、家で鶏刺しを食って焼酎を飲んだら心底ほっとした自分が若干哀しいです。どれだけ鹿児島県民なんだ、と。

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九州産業大学美術館でもけっこう売れた『ぐるっと一周!九州開運すごろく』『西郷どん!まるごと絵本』『桜島!まるごと絵本』など、燦燦舎の本のご注文はこちらのwebから。日本全国送料無料で送ります!

san-san-sha.com

 

九産大美術館出展作品「田舎で出版社、はじめました!」こうなりゃ全文公開!

燦燦舎代表の鮫島亮二です。

先日もブログで書きましたが、ただいま九州産業大学美術館にて九州の作家さんたちにまじって展示っちゅうもんをやっております。本ブログを執筆しているのは5月18日。もはや会期も明日まで!なので、展示している作品のうちのひとつを全文公開します。

今回の展覧会のために、燦燦舎から“架空の本”を出版した、という謎の製作方針になっております。ガラスケースの中での展示という前提での執筆ですので、多少わかりづらいところもあるかもしれません。あと、そんなひとは絶対いないだろう!とは思うのですが、九産大で実物を見たくてたまらんからまだ読みたくない!」という奇特な方はどうぞ読まれないでくださいませ。

 

それでは以下、展示の様子と本文を転載いたします! どうぞご覧ください。

 

 

 

 

 

 

 

九州産業大学美術館『美の鼓動・クリエイターアーカイブ展』出展作品

『田舎で出版社、はじめました!』 鮫島亮二

 

 

出版社、はじめました!

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    出版社をはじめる前の話を少しさせてください。 

 ぼくは1977年、鹿児島市の「きしゃば」という飲み屋だらけの焼酎臭い街に生まれました。父親は昔ながらの小さな時計屋を営んでいました。自宅の一階が店で、上が住居です。幼い頃は父が時計を修理している姿はかっこいいと思っていたものですが、次第に大きなディスカウントスーパーが増え、小さな時計屋では誰も時計なんて買わなくなりました。家の向かいがパチンコ屋という最高の立地だったので父は朝からパチンコ屋へ直行。無回転フリーキックのようにまったく在庫は回転せず、ぼくが高校3年、大学受験2週間前に見事に倒産しました。父は自己破産、家族で逃げるように引っ越し。「俺、大学行けるのか?」と絶望しましたが、「ここにいたら俺の青春は消える!」と意地で大学に合格して埼玉に逃げました。3人部屋の学生寮奨学金とバイトで生きて、一切勉強はしなかったけど卒業しました。

 2017年、父が死ぬときに追悼文集『父、和昭』を編集しました。これが公開できないほどの面白さで、残念です。気になる方はこのガラスをぶち破ってご覧ください。もれなく福岡県警に連行されます。父のことは全然好きではなかったんですが、編集してるときはなぜか涙も出たものです。長渕剛九州産業大学中退)じゃないですが、自営業なんてろくなもんじゃねえ!と思っていました。だけどいま自営業をやっています。

 大学を卒業して、鹿児島銀行という某地方銀行に就職しました。まったく仕事に興味がもてず、会社に貢献したことは銀行強盗を捕まえたくらいで3年で退職、というか退学。金も必要だし、鹿児島にいづらいし、某トヨタ自動車期間従業員に応募して愛知県に行きました。トヨタシエンタの左ドア内側のネジを締めるだけ、という仕事に2年間従事しました。ある日、プレスの工程にいた人が機械に挟まれて死ぬ事故がありました。名前も知らない人でしたが、事故の翌日も淡々と普通に工場が稼働するのが虚しくて、「潮時かな」と、2005年の冬にトヨタを出所して、鹿児島に帰りました。いつのまにか28歳でした。

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 ある日職安で求職票を眺めていたら「南方新社(出版社)営業募集」とあります。怪しい。秘密結社か! 明らかに異彩を放つ求人票で、面接に行ったらほんとにおかしくて、出版社なのに山の上にあるし、社屋は百姓一揆のアジトみたいな民家。入社したらさらにおかしくて、会社でニワトリを飼うわ、社員旅行は人口数十人しかいない諏訪之瀬島だわ、あげくに社長は県知事選挙に出馬する!というとんでもないところでした。

 営業、編集とひと通りするようになり、2010年に結婚して、2011年には男女の双子が生まれ、3月に東日本大震災が起きました。ものすごい時代ですが、自分で本を企画して、自分でつくって売っていきたいという欲求が高まっていったのです。出版を取り巻く環境は悪化の一途。独立を打ち明けてみた友人知人は黙るか、苦笑いするか、話題を変えるか。大型書店に勤める大学時代の先輩からは「絶対無理! 無理無理無理無理ィィィィ!!!」と説教されました。

 運気が下がるだけじゃ!と都合の悪いアドバイスは聞かなかったことにしていましたが、いちばん近くにいる人間、つまり妻の意見は無視できません。「幼き双子はどうすんじゃ!」と抗議されると思っていましたが「あなたはそのほうがいいと思います」と了解してくれました。次は南方新社向原祥隆(むこはらよしたか)社長です。そういう活動をされていた方なんで、「会社に貢献してから辞めろ!」と鉄パイプで頭を粉砕されるんじゃないかとびびってました。しかし「絶対にそれがいい。自分の責任でつくるのがいちばんいい本ができるんや」と応援してくれました。向原さんはまあ無茶苦茶な方ですが、少なくとも鹿児島の歴史に名前を残す人物です。「この人が言ってくれるならやれる」と思えました。2013年3月、ぼくは南方新社を退職しました。36歳でした。

 最初は桜島の絵本だ!と決めていました。南方新社時代に『みんなの桜島』という本を企画・編集しました。著者は桜島の魅力を県内外に発信するNPO法人桜島ミュージアムで、桜島の成り立ちから災害、暮らす人々までまとまった、大変いい本でした。桜島の本は他にも多数出版されていて、既に出尽くしている感もありましたが、子ども向けの本は皆無でした。ないならつくりましょう!と桜島ミュージアムと妻の共著で出すことに決定しました。資金は退職金の100万円! 印刷会社に見積りを取って、ハードカバー、32ページで六十数万。みなさんの後ろに閲覧用の『桜島!まるごと絵本』がありますが、開いていただくとわかる通り、前半は絵本、後半は桜島の解説の二本立てになっています。「これは、本にしなきゃならん。紙に刻まないといけない!」と後半のページ数が予定よりどんどん増えて56ページ。見積りを取ったら100万近くに増額! 泪がにじみました。

 前半の絵本のストーリーも、「桜島は、こげんしてできもした」という島の成り立ちをそのまんま絵本にすればよかど、と安易に考えてプロットを描いたら、これが一切面白くない! 適当に考えてた自分に延髄斬りをかましたくなりました。反省、そしてストーリーを考える日々。桜島にもフェリーで何度も足を運びました。余談ですが桜島フェリーではうどんを食うのが定番です。

 灰が毎日降り、100年前に大噴火があったばかり。いつ次が起きるかわからない桜島。誰もが危険だと考えます。しかし取材を重ねるうちに「やっぱりこの島が好きでねえ。すぐそこの浜辺でアサリやら採れるしねえ」というおばちゃんの言葉に出合い「ああ、ここになぜ人が住み続けているのか。それを絵本にしよう」と決めました。大正噴火から島が復興していくお話。子ども向けにはいささかブルージーですが、これしかない、と思えたのです。震災後の日本では、どこに住んでいても「なぜここで生きるか」を問う必要があると考えています。

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 2歳の双子を抱えながら、妻は夜中に絵を描いていました。入稿直前に妻から「絵に納得がいかない。全部描き直したい」と申し出されました。上品に言っても「この期に及んでぶっ殺すぞ!」となるんですが、妻も一歩も引きません。「これ以上争ったら寝てる間に花瓶を頭に落とされる」とぼくの生存本能が察知して、了解しました。というのは半分は冗談で、本は何十年も読んでもらうもの。ここは遅れよりも品質を優先させようと断腸の思いで決めました。妻は超スピードで絵を描き直したのですが、まったく別物と言っていいほどよくなったのです。「わたくしが間違っておりました」とひれ伏したものです。

 2014年3月、絵本が納品されました。部数は3000部! 小さな地方出版社にとってはけっこう大きな部数です。感慨にひと月ほど浸りたかったんですが、そんな余裕はなし。印刷会社に支払いを済ませたら通帳の残高は50万円。ふたたび泪で数字と現実を直視できません。運転資金が50万ではなく、生活する金も含めた「全財産」です。1冊も売れなければ2か月で枯渇、一家離散、トヨタに逆戻りです。

 こんな事態は初めからわかっていたので、実は年末頃からある活動をしていました。予約を取るんです。あるときはイベントでテントを構え、目が合った知り合いすべてに「この申込み書に名前と住所を書け。本ができたら送りつける」と署名を集めるかの如く予約を集めました。半ば恫喝恐喝の類いでしたがクラウドファンディングとかありますが、ネットをまったく使わず人力で予約500冊。これで70万は確保! しかし、これでもトントンにもなりません。

 書店さん営業も目一杯しました。50冊、100冊!と、ほとんどの書店さんが一等地に置いてくれました。あとは売れるかどうか、もはや我々ができることは祈るのみです。

 結果、売れたんですね。こんな売れ方は経験したことがありませんでした。地元新聞のランキングにも何度も入りました。ある書店員さんは「すばらしい本だ。これが売れなかったら、それは書店の責任だと思いました」と言ってくれました。学校や図書館をまわって販売をしてくれる外商書店さんから「こんな本を待ってたんですよ!!!」と電話が来ました。先日は「子どもが何回も読み聞かせしてくれって言ってくる」というお母さんに会いました。3000冊刷って、ひと月でなくなって2000冊増刷することを決めました。

 名もなき新しい出版社を受け入れてくれる鹿児島の土壌に感謝したものです。「ああ、これで次の本も出せるな」と正直ほっとした気持ちでした。

 ようやく出版社になれたんだな、と。

 

 

あのBEAMSですか、なにか?

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 その後『ぐるっと一周! 鹿児島すごろく』やミニシアターの本『39席の映画館』を出して、なんとかやっていた2016年の夏、電話が鳴りました。取ってみると、「BEAMSですけど、九州の開運すごろくってつくれませんか?」

 は? 意味がわからんので、「ええっと、ビームスって、あのビームスですか?」と聞いたら「はい。あのビームスです」と、謎のやり取りをしました。お洒落業界総本山のあのビームスが、流行・洗練とは対極の我々に? オレオレ詐欺かドッキリだろ、なめやがって!と思ったんですが、ビームスさんはほんとにやって来ました。真夏でしたが、当時の燦燦舎のオフィス(兼住居)は築百数十年の古民家でクーラーはなく(ちなみに風呂は薪で焚いていた)、ビームスの方は汗だらだらでした。かわいそうに。ビームスと百貨店の伊勢丹で、熊本地震の復興のために九州の作家に「縁起物」をつくってもらうことを企画している、12月に出してほしい!とのことです。「つくれんのか? 鹿児島じゃねえぞ。売れんのか?」と逡巡したあげく、出すことにしました。いちばんの理由は4月に熊本で起きた地震でした。自分は何もしていない。作品を通じて、復興に何かしら役に立ちたかったのです。

 当初は「資料だけ集めてつくればええんちゃうか。時間ないし」とこそっと思ったりもしましたが、ぼくらは出版社であると同時に、自ら「手売り」をする本屋さん業務もしています。世の中には「つくる人」が上で「売る人」は下という風潮がある気がしますが、「朕は編集者さまでござい。売るのは下々がせよ」的なのが気に食わない。よく「なんとかマルシェ」などのイベントに出て、路上や公園で本を売っています。感覚としては家族でつくって家族で売る、農家に近いのです。自らつくって自ら売るものには責任や職業倫理がはたらきます。作り手と売り手の間に挟まるものが多いほど、それが希薄になっていきます。

 ということで、「やっぱ取材すべし!」と単身、軽バンで九州をまわりました。予算が少ないので旅程の半分は車で寝るハードな旅でしたが、九州は広く、すばらしかったのです。阿蘇、島原、別府、火山地帯ゆえの災害の痕跡、同時に溢れる力強さ。これはもう、全島的にパワースポットでした。熊本に行った日は偶然、上通りの「金龍堂まるぶん店」さんが復活オープンした日でした。前職の南方新社時代からお世話になっていた本屋さんで、地震で被害を受けたことも知っていました。その金龍堂さんが開店している。店内には開店を待っていたお客さんからのメッセージが張ってあって、街には本屋が必要だ、と改めて思えました。逆に勇気をもらう旅でした。

 『ぐるっと一周!九州開運すごろく』は福岡の本屋さんでもたくさん販売していただき、売上の一部を熊本に寄付することもできました。本を通して、九州という島に恩返しをしていきたいのです。

 

 

世界の当事者であり、地域で生きる

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 本をつくって生きていくこと以外に、もうひとつ大切な活動があります。鹿児島には川内原発1号機、2号機があるんですが、2008年には3号機までつくっちゃうぞ!九州電力と県が決めました。目の前でそげんなもんをつくられたらたまらん!と、反対運動に参加するようになりました。だけど、署名運動に行くと川内原発3号機増設断固反対!」とか書いてるゼッケンをつけさせられるのが嫌で、「もう勝手にやろうぜ」と友だちと「天文館アトムズ」という一見草野球チームみたいなグループをつくりました。いま思えば震災前の2009年に辺境・鹿児島でサウンドデモをやってたのは画期的だったかもしれません。そこに、浦田琴恵という女性を誘いました。彼女は桜島に移住してきたアーティストで、別府の「混浴温泉世界」など九州のアートシーンで活動していました。彼女と「KTSアートマーケット」というイベントに出展。玄海原発川内原発の海で放射性物質入り海水を汲んで「ドキドキ川内♡もれててもあんぜんスイーツ」という危険なお菓子をつくり、それを彼女がコスプレして配る、というパフォーマンスでした。いまではしゃれにならんですが、審査員賞を受賞。「原発はあぶねえ!」と吠えるのも必要ですが、まずは楽しい!かわいい!面白い!と目の前の人の感情を揺さぶる。「主張」を「表現」にすると、少しまわりの受け取りかたが変わるのです。その様子は次ページに掲示している「天文館アトムズ」に詳しいので、気になる方はこのガラスを正拳突きで粉砕してご覧ください。反核か婚活か謎ですが、彼女はいまの妻です。

 2011年1月には男女の双子が生まれました。3月11日、九州新幹線全線開通の前日に東日本大震災が起きて、福島第一原発がふっ飛びました。「自分が伝えてきたことは、まったく届かなかった。無力だった」。生まれたばかりの子どもたちと、すべての子どもたちに本当に申し訳なく思いました。

 震災で止まった川内原発ですが、お上にものを言う人が少ない鹿児島。再稼働は日に日に進みました。県や九電に申し入れに行く。署名。裁判。県知事選に南方新社の向原社長が出る。原発ベテランのおじさんたちと県庁前に勝手にテント村を建てる。県庁前で連日「再稼働反対鍋」をする。「ストップ☆せんだいげんぱつカレーフェスティバル」を開催して1500人集める。県知事に直訴して警備員にもみくちゃにされたあげく、知事から「ノーコメント!」というありがたいコメントを頂戴したこともありました。思いつくことは全部やったけど、2015年8月11日に再稼働です。あとは物理的に止めるしかない、と向原社長やおじさんたちと、原発のゲートを車でふさぐことにしました。問題は「威力業務妨害で逮捕されるかもしれない」ということでした。幼い子どもの顔が浮かびましたが、もはやここまで来たらやれるだけやろう、と。

 貧困、差別、戦争。世界には哀しい出来事が溢れています。身体はひとつだから、すべてに取り組むことは不可能。だけど少なくとも当事者でいたいと考えます。そして自分が生きる土地には責任を持ちたいのです。

 

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 結局逮捕されることはありませんでした。川内原発は見事に全国トップで再稼働して、ぼくたちは駐車違反のキップを切られました。上に掲示しているプラカードはそのとき警察に取り囲まれた車中で書いたものです。

 「核から自由であるべきだ」

 原発は恐ろしいんですが、鹿児島に住んでいると「ものを言えない」空気があります。それが何より恐ろしい。確かに大きな企業に勤めてたり、役所から仕事をもらっていたら何も言えないのかもしれません。「自分も反対だけど、言えんど」と無数の声を聞きました。自分がこんな小さな出版社をやっているのは、「発言の自由、表現の自由」を失わないためでもあります。

 特定の大きなところからお金をもらって生きているわけではなくて、燦燦舎のスポンサーは街を歩く小さなひとりひとりの読者です。彼らに届く本をつくっている限り、声を上げることに何の怖れもありません。壁よりも卵でいるぞ、と。なんなら卵あっためて子孫も増やしたるぞ!と。

 これからも路上で、言葉で、本で自由を叫ぶのです。

 愛と笑いを忘れることなく。

 

田舎だからやる!

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 田舎の鹿児島にも、たまにはいいニュースがありました。NHK大河ドラマ西郷隆盛になったのです。鹿児島人、狂喜でごわす! 2014年に『桜島!まるごと絵本』を刊行してから「次は西郷さんか」と考えていました。しかし、大河ドラマがあるからといって、安直に絵本にするのは気が引けました。鹿児島人は西郷を「好きすぎる」のです。神格化までしてしまう人もいます。西郷と長渕の悪口を言ったら血が流れるという都市伝説もあります。「明治維新150年。とにかく盛り上がればよかど!」。そんな空気がどうにも嫌で「手放しの礼賛本」はつくりたくなかったのです。我ながらめんどくさい性格ですが。

 そんななか、東川隆太郎さんとの出会いがありました。「この人とだったらよか本ができる!」と直感。東川さんは「かごしま探検の会」というNPOを運営しているまち歩きの第一人者です。大河ドラマの制作にも関わり、歴史の知識が抜群なのはもちろんですが、何より音楽・映画から世間遺産まで知り尽くし愉しむセンスがすばらしいのです。「神様じゃない、“ありのままの西郷像”を描く絵本をつくりましょう!」とアタックして、見事快諾!

 東川さんが語る「大西郷」は、味噌もつくればわらじもつくる、倒幕に手練手管を駆使したかと思えば時に大放屁かまし、流された南海の島で愛を知る、という、知れば知るほど深くて広い“ひとりの人間”でした。

 『西郷どん!まるごと絵本』は県内“だけ”では売れました。初刷り4000部をひと月で増刷。現在8500部発行しています。とある書店さんでは一時的にあの!林真理子の大河原作本よりも売れたこともありました。もちろん、トータルでは遥かに及ばないんですけど。

 そんなに西郷に興味あったんかい!とツッコみたくなるくらい大手出版社が見分けのつかない西郷本を出していましたが、かなりの数が返品になっています。『西郷どん!まるごと絵本』は、返品はほぼ皆無。なんでかっつーと、手が届く範囲で配本して、こまめに営業してるからです(本屋さんが「燦燦舎の本は売ってあげないとつぶれる!」と思っている可能性も大)。これは地元の本を地元で出しているからできる所業です。

 鹿児島に住んでいると、都会の大手チェーンをありがたがりすぎて地域の店も雇用も消失。ぺんぺん草も生えん、ということがあります。グローバル化が進むなかで、小さな地域で経済を循環させる。それがそこの商いや暮らしを守る。

 そう思って、田舎の本を田舎でつくっています。

 

 

あとがきにかえてつなぐということ

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 2019年が明けたある日、『桜島!まるごと絵本』を買ってくれた大阪の小学生から読者ハガキが届きました。うちのハガキには“注文書籍欄”があります。そこには『みんなの桜島』と書かれていました。右に展示しているこのハガキです。字が小さいので千里眼じゃないと見えないかと思いますが。

 「『みんなの桜島』は、ぼくが前に働いてた南方新社の本です。送ってもらうように連絡しときます。ぼくが編集した本だし、いい本だからとてもうれしいです」と彼に電話をかけました。いまみなさんの後ろに展示している『桜島!まるごと絵本』の最後のページには「この本も読んでみよう!」という欄があり、桜島の本を紹介しています。彼はここを読んで注文してくれたのです。

 鹿児島には実はたくさんの出版社があり、多くのよい本が生まれています。ですが、良書であっても幾分硬く、重い。初心者や、ましてや子どもには手が出ない本が多かったのです。知識はいきなり身につくものではなく、一段ずつ階段を上がるようについていきます。何も知らない状態で“ゴール”のような本だけ手渡されたとして、どれだけの人が次の一段に進めるのでしょう。

 ぼくの本が入口となり、少年が次の「知」を求めてくれました。出版社をやってきて、こんなにうれしいことはありません。

 今回の展示のテーマは「つなぐ」ですが、つなぐことなんて、考えたことはありませんでした。むしろ苦手。だけど振り返ってみると、ぼくはつなげていたのかもしれません。

 最後に、燦燦舎という社名について。「燦」には輝くという意味があります。南国鹿児島の出版社なので、太陽のイメージです。太陽の熱で水が蒸発し雲になり雨が降ります。植物は光合成をして酸素をつくり、めぐりながら次代へとつながります。発展・拡大よりも循環・持続。その源が太陽です。100年後の子どもに、今日のような明日と、自由な空気を引き継ぐ。本にはそんな力があると信じて、だから田舎で、小さな出版社をやっています。

 今回の展示に声をかけてくれた「美の鼓動」ディレクターの深川裕美さん、尽力くださった九州産業大学美術館学芸員の三戸丈治さん、本当にありがとうございました。「展示」は自分にとって未知のフィールドでした。共に燦燦舎を経営し子どもを育てている、妻のさめしまことえの協力がなければ成立しませんでした。ありがとう。これからも、本をつくって生きていきましょう。

                         燦燦舎 代表 鮫島亮二

 

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以上が九州産業大学美術館『美の鼓動・クリエイターアーカイブ展』に展示をしております「田舎で出版社、はじめました!」です。

ちなみに最初の写真が4ページからのはじまりになっています。最初のページは1ページじゃないのか?とお思いの方もいらっしゃるかもしれません。

1 総トビラ

2 白ページ

3 まえがき

4 本文「出版社、はじめました」スタート

という台割の設定になっています。どうでもいいですね!

 

明日の5月19日は13時からクロージングパーティーです。わたくしも鹿児島から出撃。どなたでも参加できますのでどうぞ遊びにおいでくださーい。詳細はこちらのwebを!

 

www.kyusan-u.ac.jp

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san-san-sha.com

 

今回紹介しております西郷どん!まるごと絵本』『桜島!まるごと絵本』『ぐるっと一周!九州開運すごろく』など燦燦舎の本のご注文は上記webから!

日本全国送料無料!でお送りします!

 それではみなさま、福岡でお会いしましょう。