九州産業大学美術館「美の鼓動クリエイターアーカイブ展」で展示職人さんの腕にびびった
燦燦舎代表の鮫島亮二です。
突然ですが、今後はわたくしを作家と呼んでいただければと思います。というのも、ただいま九州産業大学美術館で絶讃開催中の「美の鼓動クリエイターアーカイブ展」で、名だたる作家さんに交じってわたくしの作品を展示!しているからです。
と、偉そうにのたまったはいいのですが、「展示をしてください!」と頼まれたものの絵を描くわけでもなし、木やら石を彫るわけでもなし、自分は編集をする側なんで自分だけでつくった「作品」なんてないのです。どげんしよ、どげんしよと悩んだあげく、「こうなりゃこの展示のために“架空の本”を自分で書いたことにするしかねえ」と思い至ったのですね。意味不明かもしれませんが。
タイトルは『田舎で出版社、はじめました!』
ということで3月末に設営に行ってきました福岡は九州産業大学!(長渕剛の母校!)
でですね、こういう美術館の展示っちゅうのは展示職人さん!なる方々がいらっしゃって展示を手伝ってくれるんですね(もちろん作家さんだけで展示をするパターンもあるかと思います)。いやはや、そんな業界があるとはまったく知りませんでした。
わたくしはその技に度肝抜かれました。
正確にして繊細。展示って、こんなふうにするのかーーっと。
このですね、光をぴゃーっとするやつ。これでどんな場所でも水平も垂直も取れるのです! まさにレーザービーム!!!
パーティー感がパねえ感じであふれております。欲しいです。使うことないけど。
さてさて、以下の手順で今回の展示を作成しました。
1、Wordで原稿書く(最初2万字くらい書いてしまい、削るのに死にそうでした)
2、indesignというソフトで本の組版データをつくる。こんな感じです。
3、展示はガラスケースの中。なので小さく印刷しても誰も読めないので、A1に拡大して出力。パネルにする。このプリンターもほんと欲しいです(出力は九州産業大学美術館さんがやってくださいました。感謝!)
で、そっから自分は大変めんどくさいお願いを職人さんにしまして、
4、普通の本なら写真が入るスペースに、燦燦舎の実物の本、ぬいぐるみなどを設置する!
これにて展示が完成!となりもした。
この平面のなかの立体感がなかなかにいいのです。本って立体物なんだと改めて感じたり。
見所はこちら!
さめしまことえ原画・監修燦燦舎・製作Whatの西郷くんぬいぐるみ!の設置状態!
両脇に虫ピンを打ち込み、
テグスで固定! この太い指でなんと緻密な作業を!
要はここです。西郷くんの股の下。
この釘の位置が最高西郷! まさに磔状態!
イメージとしてはこんな感じでしょうか。(『ゴールデンカムイ 第10巻』より)
職人さんの技術で水平も間隔も縦横もピシャッ!と実に美しく展示。その技に見とれっぱなしの九産大展示でした。
他にもわたしが描いたわけではないのですが、さめしまことえの原画も展示。
そして最後は『ぐるっと一周!九州開運すごろく』部屋!!!
ここが今回の展覧会の全展示の最終部屋。つまりあがりです!
静謐なる美術館を一気に町内会の祭り感の最高潮のズンドコに陥れます!!!
設営してて、やっぱ紅白幕って最強だな、と確信しました。
この亀さんを見つけたあなたは、開運まちがいなし!!!
(見つけた方にはなんかプレゼントあげます。info@san-san-sha.com までどうぞご一報くださいませ)
あとですね、ほかの見所っちゅうと、他の作家さんたちが本気ですごい!
鹿児島の画家・木浦奈津子さん(絵、大好きです)
鹿児島からおなじみチェスト連合!外山雄大監督(サツマジン動画が頭から離れん。中毒性高いです)
北九州の美術家・尾形満歳さん(このひとがいちばんおかしいです。※注:ほめてます!)
佐賀の造形作家・藤瀬大喜さん(河童の造形もなんとも言えん表情ですばらしいのですが、この方の小説がだいぶおかしい。※注:ほめてます!)
佐賀の画家・冨永ボンドさん(ボンドで全世界をつなげるというまさに今回の展示のコンセプトを体現!)
福岡・OIL MOUNT PRINTERS日高太一さん(シルクスクリーン印刷。かっこよかど。印刷を生業とされているので、お話ししたかったー!)
熊本の現代美術家・レインボー岡山さん(ぶっとびです。この方だけ思わずプロフ写真を転載してしもうた!)
宮崎のアーティスト・小松孝英さん(日本画。海外でものすんごい売れているそう!)
そして、長崎から生物生態写真家! 栗林慧さん(本を膨大に出されています。今回同じ空間で展示ができて、出版人として大変光栄です。実際のパネルの緻密さ、迫力、色合い。すばらしい。福岡でもう一回見れるのがとても楽しみです)
展示職人さんの技!
そして九州でも最高峰の作家さんたちの作品の力。
ここまで書いてしまいましたが、写真でも文章でも語れません。
是非、生の美術品をご覧くださり、圧倒されてください。
っっっっって、5月19日までやんけ!
早く書けばよかった。ちょっしもた〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!
最終日の5月19日(日)はレインボー岡山さんによるワークショップ「虹の上を散歩する」! ほいで13時から15時に作家さんが集まってクロージングパーティーです。作家さんといっしょに飲めや食えやらしい! 参加費無料! 詳しくはwebを!
わたくしももちろんど田舎の鹿児島県鹿児島市川上町から大都会福岡に行くばい!ですので、福岡の燦燦舎ファン(いるのか!?)、他の作家さんのファンのみなさん、どうぞおいでくださいませ。
今回の展示のきっかけになったテレビ西日本「美の鼓動」の動画はこちらです!
今回展示しております燦燦舎の『西郷どん!まるごと絵本』『桜島!まるごと絵本』『ぐるっと一周!九州開運すごろく』のご注文は下記のwebから! 日本全国送料無料でお送りします! もちろん九州産業大学美術館でも販売ちゅうで〜す!
おまけ
設営終盤、出力したデータのサイズが小さかったことが発覚してばたりと倒れる西郷どんくん。再度出力して、やり直し。次の日の夕方まで設営してました。だれもした。
さめしまことえの新商品! 「さくらじまマグネット」と「さくらじまブローチ」できもした!!!
例によって出版社なのになかなか本ができない燦燦舎。がんばってつくってます。もう少しお待ちを!!!
しかし、このままでは世間から忘れられてしまう。そして本ができないと売上も上がらねえ! ここはひとつ、『西郷どん!まるごと絵本』『桜島!まるごと絵本』の著者であり、燦燦舎社員、そしてわたくしの妻であるさめしまことえに「その技術と才能を日本円に替えてくれ!!!」とお願いしました。
そこでできたのがこれ!
さめしまことえの新作、、、
「さくらじまマグネット」!!!
プラ板とレジンで超・手づくりです。いよいよハンドメイド業界に殴り込みじゃい!
桜島ビジターセンターに置いていただいたところ、4日ほどで18個売れ!!! これはけっこう、かなりすごいことです!!!
お値段は550円+税でごわす。
同じデザインでブローチもつくりました。こちらはまだ置いていただいているお店はないのですが、先日のアースデイかごしまで1日で6個売れ! これもけっこうすごい! お値段は600円+税ごわす!
このぷっくり感がなんともかわいいんですが、特筆はやはり噴煙の描き方! これはなかなか描けないんじゃないかと思います。桜島にかつて住み、『桜島!まるごと絵本』を著したさめしまことえだから描ける!と思っております。
まさに母ちゃんが夜なべをしてつくっています。
涙が出ます。苦労かけて、すんもはんなあ。
ブローチ使用例。おっさんのわたしがつけてると危険な雰囲気 を醸し出しますので、トートバッグに着用。よかふうです。もすバッジといっしょに。
しかし、もすもすもす言うとるわたしのバッグ、はたから見たらどう思われるんでしょうか。
絵本から飛び出した「さくらじまマグネット」に「さくらじまブローチ」。
欲しい方、気になる方、取り扱いたい!というお店の方、などなど以下からどうぞお気軽にご連絡ください! また、オーダーに合わせてオリジナルのブローチなども制作できます。詳細は以下からお問い合わせください!
ですが、燦燦舎は5月3日から6日までお休みをいただきます!
その間はお返事できないときもありますので、ご了承くださいませ〜!!!
本屋さんは楽しい 燦燦舎は出張本屋さんもしております
4月21日のアースデイかごしま、大晴天の大盛況でごわした。
燦燦舎は売上のほとんどは出版業(自分でつくって、本屋さんなどに置いていただき売ってもらう)ですが、出張本屋さんもしています。
全国の小さな、だけどすばらしい出版社さんから直接本を仕入れて、川上の山の上から時々町に降りて本を売っています。
お客さんと話して買ってもらう、商売の原点というか原始的な仕事ですが、読者の生の声、リアクション、どんな本に誰が興味を持つのか、本当に勉強になるんですよね。他の出版社さんの本づくりも大変参考になります。世の出版社の人はただつくってるだけじゃなくて自分で売ってみたほうがいいですよ。ほんとに。
今日は燦燦舎で扱っている、置いているだけでどんどん売れていくすごい本たちをご紹介!
ミシマ社『はやくはやくっていわないで』作・益田ミリ 絵・平澤一平 税込1620円
この本には本当に助けられています。面陳で出しているだけでお母さんがたが寄ってくる。わたしもいつも子どもに「はやくはやく!」言ってしまうんですよね。このシンプルなタイトルづけと表紙ですべてが伝わる、すごい本です。本の写真を撮ろうと思ったら売り切れてしまってたので、ミシマ社さんのホームページから転載しました。
わたしは表紙もタイトルもついつい「盛り込み」がちなんですが、ここまで引き算の表紙まわりで人を惹き付ける本を造れるようになりたいものです。
西日本新聞社『ながのばあちゃんの食術指南』長野路代・佐藤弘 税込1404円
このばあちゃんの本も売れる。鹿児島でこの本を一番売っているのは実は燦燦舎なのではないか!?と秘かに思っているんですが、どうなんやろか。タイトルどおりばあちゃんの料理本です。料理本って「つくってみよう!」と思わせられるかどうかが一番大事だと思います。やる気を出させる伴走者の役割が見事な本です。
梅干し漬けたり、たけのこ煮たりとかいろいろ載ってますが、フライドポテトをつくってみたくなりました。揚げる前にいっぺん干すといいらしい。
ナナロク社『あたしとあなた』谷川俊太郎 税込2160円
言わずと知れた谷川俊太郎さんの詩集ですが、写真で伝えられない 装丁、造本のすばらしさに本は美術品なんだな、と感じてしまいます。特に、この本を造るために本文用紙をオリジナルで開発してしまった、ということに驚嘆です。普通するか!??? 俺にはできん!!! ナナロク社さんの造本への狂気みたいのが持った瞬間にわかる。これは本屋で生で確かめてください。好きなひとからプレゼントでもらったらもっと好きになる本ですね。
石風社『土の話』文・小泉武夫 絵・黒田征太郎 税込1,404円
文章は発酵学者の小泉武夫さん、絵は画家でK2というデザイン事務所もされていた黒田征太郎さんです。原発事故で放射能が降った大地。土が福島弁で人間を批判するのですが、本文がすべて手描きです。本文と絵の組み合わせで一枚の絵になっている。こんな表現もあっていいんですよね。わたしは鹿児島弁しか話せないんですが、福島の言葉にはなぜだか共通点も感じるのです。是非みなさま声に出して読んでほしい。
自然食通信社『台所サバイバル』 編・自然食通信編集部 税込1188円
この本もタイトルづけで大勝利してます。いやー、すばらしいタイトルや。もちろん中身もこの大量生産大量消費の時代にカウンターパンチを撃ち込む内容です。ご家庭の飯を作ってる方ならおわかりでしょうが、どうしても残り物が出る。それをどう活用するか。ちょびっと野菜とか残るんですよね。そしてそれが朽ちるとツラいんです。サバイバルですよ。本書に残ったスープをシチュー、カレー、焼き飯などにメタモルフォーゼしていくと掲載されてますが、わたしもやります。「スイカの種をアクセサリーにする」というオモシロアイデアもあって飽きません。
みんなのデータサイト『図説・17都県 放射能測定マップ+読み解き集』 編・みんなのデータサイト編集部 税込2500円
先日当ブログで紹介したばかりですね。なんとなんと、2500円する本書ですが、アースデイかごしまだけで9冊売れました! 本を売っていて、こんなことはほんとになかなかないんです。工務店に勤めてるのかなー、という作業服のお兄さんが本書を手に取っていました。話しかけてみると、やはり川内原発のことが心配やし、再稼働されるのはおかしいと思っている、と。「この本を探していた」ということでした。こんな出会いや交流があるから、路上に出るのです。
先日のアースデイかごしまでの燦燦舎ブース。バックスペースには赤ちゃん連れの友人家族が3組くらい来てて、うちの子どもたちと赤ちゃんたちで子育てサロンみたいになってましたけど、とても幸せな気持ちでした。たとえわたしが座る場所がまったくなかったとしても。
こちらはアースデイかごしま2019の様子です。写真はアースデイかごしまFacebookより転載しました。緑の芝生で子どもたちが遊び回っていると、世界はこうあってほしい、と心から思えるのです。
ここ最近、イベントでの販売の打率(声を掛けるお客さんのうち買ってくださる人がどれくらいか)が上がっています。打率が低いと、疲労徒労過労孤独で死にそうになるんですが、それが最近はあまりない。
おそらくディスプレイの仕方に気を付けるようになったからかなー、と思います。とは言っても、別にテントを洒落たもんにするとか、飾りつけをするとかじゃなくて。本ってそれだけで完成された工芸品の要素があるので、それをなるべく伝えられたらええんじゃないかと思っています。
現実的な課題が無数にあってまだ夢でしかないのですが、いつか気持ちのいい小さな本屋さんでも鹿児島で開きたいな、と思っています。
燦燦舎の移動本屋さんは一生続けていきますので、みなさま、どこかの町でお会いしましょう。
次の出張本屋さんはこちら!!!
4月28日「なるとの温泉FES! 2019」 @ くしき野白浜温泉
本日ご紹介した本は、メールでもご注文承ります!
『(本のタイトル)』
( )冊注文
お名前(フリガナ)
ご住所 〒
お電話番号
こちらを記入して以下にメールください!
info@san-san-sha.com
※送料は1冊につき150円になります。郵便振替を同封しますので、到着後お近くの郵便局でお支払いください。
すごい本、販売します。『図説17都県放射能測定マップ+読み解き集』!!!
2018年の11月にふつうの人びとが集まって自費出版して、早くも1万数千部売れて、そのスジの方々には大変な話題という本があります。
『図説・17都県放射能測定マップ+読み解き集』
わたくしもそのスジの人間ですので、これは鹿児島でも絶対に売らなあかん、と「みんなのデータサイト」編集部に電話をかけて注文しました(なんと、この本を出版するために出版社をつくっちゃった!とのこと)。福島からのダンボールを開けて、ページを開いたのですが、ものすごい本が出来てしまった、というのが率直な感想です。
本書はそもそも、2011年の福島第一原発の事故後、目に見えない放射能汚染を可視化して記録する、という取り組みから始まりました。
原発事故で放射能が拡散されたことは確かです。国が責任を持ってどれだけ汚染が広がったのかを調べるのが当たり前なのです。しかし、国主導の大規模な調査は行われませんでした。「子どもが安心して遊べる地域はどこか」「どこの地域なら農作物をつくれるのか」。そんな不安や疑問を解消するには、市民が独自に土壌調査するしかなかったのです。(大変おかしな話なんですが)
多くの人が同一条件で土壌を採取できるようマニュアルをつくり、各地で採取説明会を100回以上開いたそうです
17都県、3400の地点を4000人で測定したマップがこの本なのです。
簡単に言ってしもうたけど、ふつうできません。
こんなこと、みんな給料をもらってやるわけじゃない。仕事を持ち、家庭を持ち、子どもを学校や保育園に行かせて、介護をしながら。なんと言えばいいのか、言葉がうまく出てきません。
これが福島の測定マップです。事故当時の気象データ、土質の傾向、強制移住地域や移住義務が生じる地域の分布もわかります。
他に静岡、神奈川、東京から青森まで東日本の17都県のマップが掲載されます。
テキスト、イラスト、図表かなりぎっしりのつくりです。
初めて原発問題に触れるかたは、少しびびるかもしれません。ですが、ここまでまとまった資料は他にないでしょう。専門用語の解説もたくさん掲載されています。なんとかわかってほしい! そんな編集部の方の気持ちが本をつかむ手から伝わってくるんですね。 手元に置いて、気になったことがあれば開き、調べたいことがあったらめくる。これは紙に印刷されて綴じられた「本」というフォーマットだからこそなしえる活用法です。是非じっくり付き合ってください。
以下、測定マップ以外の項目を抜粋します。
2500円、高い!と思う方もいらっしゃるかもしれません。
ですが、これはものすごく安いです。このボリュームで、この内容で、充実度で2500円です。はっきり言って商業出版でやってるぼくらには不可能です。とんでもないことです。きっと編集部のみなさんは、原価や部数、採算を考えて、悩みに悩んで「この値段ならなんとか手に取ってくれるだろう」そんな思いで定価を設定されたと思います。他にも、さまざまなページから、言葉の選び方から「悩み」が伝わってきます。考えて、話し合って、おそらくぶつかり合うこともありながらこの本を出版してくださったと思います。
世間では「みんな」でやることを目的とするあまり、当たり障りのない薄ぼんやりした出版物が増えています。しかしこの『図説・17都県放射能測定マップ+読み解き集』は、「みんな」でしか作り得ない本、その希有な例です。
わたしは2008年からこの鹿児島の地で、川内原発に反対しています。川内原発は震災後日本で初めて再稼働して、いまも動いています。このマップを鹿児島にあてはめたら、果たしてどんなわたしたちのふるさとが見えてくるでしょうか。
すごい本です。燦燦舎でも、全力でこの本をひろげていきます。
まずはこちらのイベントで販売します!
明日! 4月21日のアースデイかごしま(@テンパーク)
https://www.facebook.com/events/794530774215982/
4月28日「なるとの温泉FES! 2019」
https://www.facebook.com/events/2059695540995936/
@ くしき野白浜温泉
メールでもご注文承ります!
『図説・17都県放射能測定マップ+読み解き集』(税込定価2,500円)
( )冊注文
お名前(フリガナ)
ご住所 〒
お電話番号
以上を記入してメールにてご注文ください!
info@san-san-sha.com
※送料は1冊につき150円になります。郵便振替を同封しますので、到着後お近くの郵便局でお支払いください。
『西郷どん!まるごと絵本』『ぐるっと一周!九州開運すごろく』など、燦燦舎が発行している本についてはこちらからご覧くださいませ~。
宮崎に出版社ができたっ! 第一弾はなんと、、、宮崎すごろく!!!!!
先日はお世話になっていた明屋書店隼人店さんが閉店。また他にも本屋さん閉店のニュースも入ってきまして、ほんとに厳しい、厳しい地方出版業界ですが、、、、今日はとってもうれしいお知らせです!
鹿児島とともに日本の辺境の双璧をなす宮崎県に、出版社が誕生いたしましたーーーーーーっ!!!!! その名もヒムカ出版!!!
そしてその第一弾はなんと、
『やっちょっど! 宮崎すごろく』でごわす!!!(タイトルが最高やっど! やっちょっど!!!)
右・ヒムカ出版代表の渡邊晃さん、左は燦燦舎代表の鮫島です。おっさん二人で掲げる『やっちょっど!宮崎すごろく』!!!
思い出せば、『西郷どん!まるごと絵本』販促真っただ中、もんのすごい忙しい時期に、ヒムカ出版代表の渡邊晃さんが鹿児島市川上町の燦燦舎までやって来ました。
渡邊さんは以前は宮崎の老舗出版社に勤めていらっしゃって、わたしは昔勤めていました南方新社にいたときに初めて会いました。数少ない同業者で同年代。抱える悩みも出版にかける思いも近くて、宮崎にも共にがんばる仲間がいるんだ、と勇気が出たもんです。宮崎に営業に行ったときにはいっしょに飲みに行き、痛飲の末わたしは途中で前後不覚酩酊状態に陥り、宮崎の街をゾンビのように右往左往したこともあったなあ……。そんな渡邊さん。いったいどげんしたのかな〜、と迎えたところ、、、、
「宮崎で出版社を立ち上げたい! 燦燦舎を見ていて、自分もやりたくなりました! 第一弾は宮崎でもすごろくを出したいんです!!!」
との言葉。熱かったです。すばらしい、と思いました。
田舎で出版社。実際に立ち上げてみたら経営はほんとに大変。燦燦舎は基本的に、自分で企画して自分の金で本を出す。それを売る。という企画出版で収入のほとんどを得ています。リスクはでかく、リターンは少ない稼業(と、やってみたらわかった!)。もうすぐ立ち上げて5年なんですが、我ながら一家5人でよく生きているな、と思います。都会ならともかく、人口も減り書店さんも減る田舎で自分たちみたいな会社は起こらないだろうと思っていました。そんななかでの渡邊さんのお話。
これはもう、応援するしかねえだろっ!!!と心から思えたのです。
でもって昨年、渡邊さんが出来上がったすごろくを持ってきてくれました。お世辞じゃなく、パッケージが輝いて見えたのを覚えています。
じゃっどん、すごろくは遊ばないと真価はわからねえ。早速プレイ開始じゃ〜〜〜!!!
パッケージ、めでたいネ! イラストは宮崎で活躍されている榊あずささん!
宮崎全県をまるっと回る! 宮崎県は縦長だからすごろくにしやすいのう。後ろの台所の生活感は、、、気にしないでください。
延岡城の千人殺しの石垣。石垣の一部をはずすと崩れ落ちるそう。行きたい。
都城の一堂ケ丘公園はかかしの里。めをつむって片足立ちで10秒数えます。ふらつく体幹に寄る年波を突き付けられます。
いざ、四半的をぴしゃつ(しっかり)狙うヒムカ出版代表渡邊さん!
見事空振り!!! これ、だいぶ笑いました。
小林といったら、だよね、陰陽石! 見事な形状に夫婦円満!!!
いや〜〜〜。宮崎すごろく、面白いです!!!
ぐるっと回った場所についても、おまけ冊子でばっちりわかる。渡邊さんのユーモアあふれる文体と、的をぴしゃっつ外さない簡潔な解説。このおまけ本だけでもかなり楽しめて学べます。ページのレイアウトがまたよくできてて、マジでうらやましい。
大逆転カード「ヒムカの切り札」もついてて『ぐるっと一周!鹿児島すごろく』『ぐるっと一周!九州開運すごろく』のスタイルを踏襲してはいますが、中身はやっぱり宮崎すごろくでしか表現しえないものです。
日向のひょっとこ踊り、椎葉村の焼畑、西米良村の妖精・かりこぼう。
すべてがメジャーな観光地ってわけでもない。だけど気になる場所ばかり。全編に南国宮崎にふりそそぐ太陽の光があふれてる。ヒムカ出版の渡邊さん、ほんとにいいすごろくを作られました。すごいっ!!!
日本の出版物の大半は、東京を中心とした大都市でつくられています。大都市目線の出版物には、この田舎で暮らすなかで必要な知恵だったり情報が載っていないこともあります。気候も地形も歴史も暮らしかたも違うから当然なんですね。もちろんセールスも違います。だからぼくたちは都市の出版社が手掛けない、だけどこの鹿児島に生きる人たちにとっては必要な本をつくっています。
そんな出版社が存在すれば、きっとその地域の暮らしや自然、文化は守られ、次代に受け継がれる。そう思って出版社をやってます。
この厳しいご時世に、無謀にも宮崎という鹿児島ばりの田舎で出版社を立ち上げてしまった特攻野郎! 宮崎のぼっけもん! ヒムカ出版!!!を、みなさま是非是非応援してください!!!
『やっちょっど! 宮崎すごろく』の購入は、宮崎の本屋さんか、こちらヒムカ出版ホームページで! 定価1500円+税+送料150円です!
実物を見たい方は2月10日にフローランテ宮崎で開催される「宮崎オーガニックフェスティバル」で! 「ひむか村の宝箱」さんのブースで販売されるそうです!
燦燦舎ももちろん全面応援! 販売してます!!!
こちらの注文画面の「質問やご要望、メッセージなど」の欄に「宮崎すごろく ◯冊」と記入してご注文ください。フォームには送料無料と書かれていますが、ヒムカ出版と同じく定価1500円+税+送料150円です!
最後に、すごろくの制作を許可くださいました『ぐるっと一周!鹿児島すごろく』著者の植村紀子さんに感謝を申し上げます。
宮崎にヒムカ出版! 鹿児島に燦燦舎!
南九州から日本を照らすぜ〜〜〜っ!!!
チェスト〜〜! やっちょっど〜〜〜!!!
本屋さんが閉まること
出版社をしていて哀しいことのトップに入るのは、書店さんの閉店のお知らせの電話を受けることです。昨日は明屋書店隼人店さんが1月末で閉店されるということで、在庫の引き取りに行ってきました。
明屋書店隼人店さんは1995年の開業。23年間この場所でがんばって来られたということです。鹿児島神宮の近く、スーパーのクッキーの隣りだというと分かる方も多いのではないでしょうか。
引き取りに行って、店長さんとひとしきり話をしました。わたしも前職の南方新社時代を合わせると、12年間もお世話になってきたお店です。明屋書店さんは愛媛の書店でして、隼人店さんはチェーン店になるのですが、鹿児島の本を応援してくれるお店でした。硬い歴史本も売ってくれて、地元の方が出された本も並び、隼人・日当山の方々の本への意欲を感じていました。店内もほどよい広さで、文芸などの棚も面白く、子どもたちもうろうろしていて、「近くにあったら毎日通うなあ」というお店。近所の人がうらやましかったです。南方新社の本も燦燦舎の本も一生懸命売ってくださって、行くたびに元気が出ました。
「本当に」の“本”を本で描いているところに本愛!を感じます!!!
閉店のお知らせの明屋書店隼人店通信号外。ずっと保管しときます
さらに昨日は霧島の「まほろばの里」も閉店するということで本を引き取りに。まほろばの里さんは去年から本を置かせていただいたんですが、南方新社時代にもお世話になっていました。さみしくなります。
お世話になったせめてもの御礼にと、明屋さんとまほろばの里さんで手帳や新書、子どもの土産にジブリグッズを購入。ずっと落ち込んでいるわけにもいかないので新規先の営業とお取引先へのあいさつに行ってきた次第です。
前職南方新社時代から、果たして何店舗の閉店・引き取りに立ち合ってきたでしょうか。30店以上あるかもしれません。
確かにAmazonに代表されるネットショップは便利です。しかし、ネットは使いこなせる人と使えない人の格差が大きい。じいちゃんばあちゃんから子どもまで開かれた、明屋さんのような地域の本屋さんが地元の文化を支えているのは事実です。確かに、品揃えや注文してもなかなか届かないなど、取次による配本・流通の問題もありますが(もちろん取次があっていいことも確実にある)本屋がなくなったら、より一層本を読む人と読まない人の格差は広がります。
だいたい、本屋がなくなった街なんて楽しくもなんともない。
子どもたち、若者の活字離れを危惧するみなさん、 街の本屋さんに行ってください。そして本を買ってください。
この原稿を書いているいまも切なさでいっぱいですが、明屋書店隼人店さん、まほろばの里さん、本当にありがとうございました! どちらとも1月31日まで開いています。みなさまどうぞ行ってくださいね。
燦燦舎は、これからも街の本屋さんが元気になるような本をつくります!!!
鹿女短の食育絵本! 『西郷さんと大豆の豆助』をつくりました!!!
鹿児島女子短期大学生活科学科食物栄養学専攻(早口言葉で言ってみよう!)のみなさんといっしょに、鹿女短の食育絵本『西郷さんと大豆の豆助』をつくりました〜!!!
燦燦舎は、鹿女短の千葉しのぶ先生のお誘いをいただき、2016年から「学生さんたちと食育紙芝居をつくる」という講義に携わっております。思えば紙芝居屋としての人生はここから始まったのかもしれません。
今回、2017年につくった紙芝居を絵本にアレンジして、鹿女短から出版するというプロジェクトが立ち上がり、わたくし鮫島亮二とさめしまことえも関わらせていただいた次第です!
絵本のもとになった紙芝居は、
①千葉先生からテーマをいただく(大豆、鹿児島の偉人など)
②鮫島がプロット(ストーリーの土台となるもの。これがこうなってああなってこげんなっど、みたいなもの)をつくる。
③プロットを学生さんたちに渡し、一人ひとりでプロットをもとに物語を書いてきてもらう。
④学生さんたちに発表してもらい、それをひとつの物語に編集する。
⑤さめしまことえが下絵を作成。学生さんたちに貼り絵をしてもらい絵が完成!
⑥演技指導して、発表までしてもらう!
こんな行程を経て作成しました。
色紙をちぎりちぎり、貼り貼りしてるとこ。楽しそう!
紙芝居ができた! よかふうじゃ!
物語を書く、それを人の前で読む。いいですね。
大人になると表現をすることってどんどん減っていきます。子どもは何も言わなくても表現をし続けています。別にうまいとか下手とか関係なくて、表現をすることは生きていくうえで必要だ、と感じました。学生さんたちも、作る前、紙芝居を読む前、と後では明らかに変わっていた、ような気がします。
そうしてできた紙芝居。それを今回は絵本にします。千葉先生をはじめ先生方と打ち合せを重ねながら、紙芝居用のストーリーを絵本にアレンジしていきます。
例えば、紙芝居は学生さん7、8人で発表することが前提でしたので登場人物も多かったんですが、絵本でたくさんの人が出ると子どもたちが混乱してしまいます。かなり削りました。子どもたちが大豆の成長を理解できるように、絵に季節感を盛り込んだり、大豆の絵によりリアリティが出るように修正したり。
おかげさまで完成度もかなり上がりました。
いや〜っ、紙芝居と絵本って違うんだなーーーっ!!!
そんなこんなでできました、『西郷さんと大豆の豆助』!!!
表紙はこちら。主人公の豆助くん、農民の吉べえ、西郷さんの三傑そろい踏みです。
ストーリーには鹿児島の風土や薩摩義士のお話なども盛り込まれます。台風が襲来する鹿児島で、吉べえはどうやって大豆たちを守ったのか!? 我ながら面白い!
なんと、みそづくりの歌まで学生さんたちとつくりました。県民誰もが歌えるあの歌がベースです。うんまかみそをつくりもんそ!
後半は、大豆のできるまで、みそ料理レシピなども掲載! まさに「まるごと絵本スタイル」の大ボリューム。豪華全56ページ、オールカラー!!! こちらのページの編集は、小松原のエンガワスタジオさん!
南日本新聞にも掲載していただきました〜。高野記者さん、ありがとさげもす。
子どもたちに大豆を通して食べることの大切さを考えてほしい、と鹿女短さんが作った食育絵本『西郷どんと大豆の豆助』(編集:燦燦舎&エンガワスタジオ、絵:さめしまことえ)!!!ですが、、、
非売品です!!!
県内の幼稚園や保育園(先着100冊!!!)で、活用してくださるところに無料で配布するということです。子どもたちに読んであげたい! 食育に使いたい!
そんな幼稚園、保育園のみなさま、申込みは↓の鹿女短ホームページをどうぞ!
部数僅少! お早めに!!!
オリジナル食育絵本「西郷さんと大豆の豆助」を制作しました!! | 鹿児島女子短期大学
とってもいい絵本ができました。
千葉先生、鹿女短のみなさま、本当にありがとうございます!!!
燦燦舎、今年もいろんな仕事します!
お問い合わせなどどうぞお気軽に!!!